0:switch
1:bg52
2:bg67_a
3:f4-4-14
4:switch
5:sure2
6:f4-4-44
7:switch
8:sure9
9:switch
10:sure16
11:switch
12:#Color[7]#Scale[1.8]デパート 1階 案内板前
13:土曜日は、人が多いなあ……。
14:この人込みのなかを、あの無駄にキラキラした
15:人たちと歩くのは、ちょっと遠慮したい。
16:……少し離れて歩こうかな? できればだけど
17:ね。
18:…………。
19:……。
20:そろそろ時間だけど……。
21:環
Tamaki
22:鏡夜
Kyoya
23:switch
24:sure3
25:switch
26:sure6
27:switch
28:b-tamaki_b3
29:b-tamaki_b3
30:b-tamaki_b3
31:環
Tamaki
32:「ハルヒー! 待たせたか……、にゃ?」
33:b-tamaki_b3
34:環
Tamaki
35:「スカートじゃない……」
36:ハルヒ
Haruhi
37:「……会ったそばから人のカッコに文句つけな
38:いでください」
39:b-tamaki_b3
40:いきなり失礼な人だなあ……。
41:ハルヒ
Haruhi
42:「あれ? 鏡夜先輩は一緒じゃないんですか?」
43:b-tamaki_b3
44:…………。
45:b-tamaki_b3
46:b-tamaki_b2
47:b-tamaki_b2
48:b-tamaki_b2
49:環
Tamaki
50:「鏡夜の家へ迎えに寄ったんだが――」
51:b-tamaki_b2
52:bg52
53:環
Tamaki
54:「鏡夜、鏡夜! ほら、早く起きろ! かわい
55:い娘が待っているぞ!」
56:b-kyouya_b1
57:b-kyouya_b1
58:b-kyouya_b1
59:鏡夜
Kyoya
60:「うるさい……」
61:環
Tamaki
62:「…………え?」
63:b-kyouya_b1
64:kyouya_A
65:b-kyouya_b3
66:b-kyouya_b3
67:b-kyouya_b3
68:鏡夜
Kyoya
69:「行くと約束した覚えはない。行きたきゃ勝手
70:にしろ」
71:im03
72:#Scale[1.4]ドドーーーーーン!
73:eye2
74:eye2
75:#Color[7]#Scale[1.8]怒りの魔王様
76:環
Tamaki
77:#Pos[0,20]#Scale[1.4]  「ヒイイイィィィィ!!」
78:b-kyouya_b3
79:bg67_a
80:b-tamaki_b3
81:b-tamaki_b3
82:b-tamaki_b3
83:…………。
84:なんとなく、予想はしてたけど……。
85:ハルヒ
Haruhi
86:「鏡夜先輩は来ないんですね?」
87:b-tamaki_b3
88:b-tamaki_b2
89:b-tamaki_b2
90:b-tamaki_b2
91:環
Tamaki
92:「うん……」
93:つまり、1人で環先輩の相手をしなくちゃいけ
94:ないってことか……。疲れそうだなあ。
95:b-tamaki_b2
96:b-tamaki_b1
97:b-tamaki_b1
98:b-tamaki_b1
99:環
Tamaki
100:「どうした、ハルヒ? 鏡夜がいないのは残念
101:かもしれないが、この俺がいるじゃないか!」
102:ハルヒ
Haruhi
103:「あーはいはい、行きましょうか」
104:b-tamaki_b1
105:環
Tamaki
106:「……え? ま、待つのだハルヒ!
107:お父さんを置いていかないで!」
108:b-tamaki_b3
109:b-tamaki_b3
110:b-tamaki_b3
111:…………やれやれ。
112:switch
113:sure4
114:switch
115:環
Tamaki
116:グラフキャラ
117:f4-6-11
118:bg68_a
119:b-tamaki_b3
120:b-tamaki_b1
121:b-tamaki_b1
122:b-tamaki_b1
123:さて……。デパートといっても、特に目的があ
124:るわけでもないし、どこに連れて行けばいいの
125:かな。
126:b-tamaki_b1
127:b-tamaki_b2
128:b-tamaki_b2
129:b-tamaki_b2
130:bikkuri2_l
131:b-tamaki_b2
132:あ、そういえば物産展があるんだっけ。
133:ハルヒ
Haruhi
134:「先輩、見るところは物産展……」
135:bou_l
136:bou_r
137:…………あれ?
138:ハルヒ
Haruhi
139:「環先輩!?」
140:tamaki_b
141:tamaki_b
142:tamaki_b
143:ちょっと目を離したスキに、先輩は特売用のワ
144:ゴンの前に立っていた。
145:環
Tamaki
146:「ワゴンセール? 同じような洋服を無造作に
147:積むことか? それとも……」
148:tamaki_b
149:b-tamaki_b1
150:b-tamaki_b1
151:b-tamaki_b1
152:ハルヒ
Haruhi
153:「先輩、あんまりウロウロしないでください。
154:人が多いんですから……」
155:b-tamaki_b1
156:環
Tamaki
157:「ハルヒ、いいところに! 見ろ、大変なこと
158:がわかったぞ」
159:環
Tamaki
160:「4980円だった品物が2980円! しか
161:もそれが、さらに980円にまで下がっている
162:とは……」
163:b-tamaki_b1
164:環
Tamaki
165:「恐るべき価格競争だ……」
166:ハルヒ
Haruhi
167:「はいはい、わかりましたから。ほら、こっ
168:ち!」
169:b-tamaki_b1
170:b-tamaki_b3
171:b-tamaki_b3
172:b-tamaki_b3
173:環
Tamaki
174:「あっ、待てハルヒ! あっちにも――」
175:b-tamaki_b3
176:まったく……。なんとかワゴンの前からは連れ
177:出したけど、環先輩はとにかく落ち着きがない。
178:あっちを見てはフラフラ、こっちを見ては立ち
179:止まり……。好奇心いっぱいの子どもと同じだ。
180:ev1060
181:環
Tamaki
182:「ハルヒハルヒ! ここにある品物はすべて1
183:00円だぞ!!」
184:hirameki_r
185:環
Tamaki
186:「そうだ、今日の記念にお父さんが何か買って
187:あげる! さあ、何でも好きなものを選びなさ
188:い!!」
189:ase
190:ハルヒ
Haruhi
191:「……結構です」
192:そんなことより、黙って歩いてくれた方がどれ
193:だけありがたいか。
194:しょうがない。このまま放っておいて、迷子に
195:でもなられると面倒だし……。
196:タッチグループ
197:switch
198:switch
199:環
Tamaki
200:「ん、どうした?」
201:switch
202:環
Tamaki
203:「そんなに急かさないでくれ」
204:switch
205:環
Tamaki
206:「寝グセか? 寝グセなのか!?」
207:switch
208:bikkuri1_r
209:環
Tamaki
210:「手をつないでくれるのか?」
211:fg01
212:ev1061
213:ハルヒ
Haruhi
214:「迷子になったら困るでしょう? 少しだけ、
215:ガマンしてくださいね」
216:heart_r
217:環
Tamaki
218:「ガ、ガ、ガ、ガマンだなんて……。俺は……」
219:環先輩は、顔を赤くしながら――。
220:環
Tamaki
221:「お……」
222:…………お?
223:環
Tamaki
224:「お父さんが一緒だから、迷子になんてならな
225:いぞ! 安心していいからな!!」
226:そう言いながら手を引くけど――。
227:ハルヒ
Haruhi
228:「先輩、そっちはトイレですよ」
229:yama_r
230:環
Tamaki
231:「へ……!?」
232:ぜんぜん安心できないんですけど……。
233:ハルヒ
Haruhi
234:「さ、行きましょう」
235:環
Tamaki
236:「…………うん」
237:手をぎゅっと握りなおすと、環先輩は恥ずかし
238:そうだったけど、小さくうなずいた。
239:最初からこうしてれば良かった。
240:switch
241:sure5
242:switch
243:bg72_a
244:#Color[7]#Scale[1.8]地方物産展
245:b-tamaki_b3
246:b-tamaki_b3
247:b-tamaki_b3
248:環
Tamaki
249:「ここが物産展か……! すごいなー、まるで
250:お祭りのようではないか!!」
251:物産展の会場に入ると、環先輩は子どもみたい
252:に声を上げた。
253:b-tamaki_b3
254:b-tamaki_b2
255:b-tamaki_b2
256:b-tamaki_b2
257:環
Tamaki
258:「行くぞハルヒ! いざ出陣だ!!」
259:ハルヒ
Haruhi
260:「……ハイハイ」
261:b-tamaki_b2
262:どこの戦場に向かうのやら……。
263:店員
Shop Assistant
264:「カッコイイおにーさん、試食はいかが?」
265:b-tamaki_b2
266:b-tamaki_b2
267:b-tamaki_b2
268:環先輩はお店の前を通るたびに、店員さんから
269:声をかけられ、そのたび試食をすすめられる。
270:b-tamaki_b2
271:b-tamaki_b1
272:b-tamaki_b1
273:b-tamaki_b1
274:kira
275:環
Tamaki
276:「とてもおいしい。……きっと、手渡してくれ
277:たあなたの愛が、このカマボコの味をよりひき
278:たててくれているんでしょうね」
279:店員
Shop Assistant
280:「あら、いやだ……」
281:そんなことをしているかと思えば――。
282:b-tamaki_b1
283:b-tamaki_b2
284:b-tamaki_b2
285:b-tamaki_b2
286:環
Tamaki
287:「ん? 豆のつかみ取り!? ハルヒ、行こ
288:う!」
289:b-tamaki_b2
290:バラバラバラ……。
291:b-tamaki_b3
292:b-tamaki_b3
293:b-tamaki_b3
294:yama_r
295:環
Tamaki
296:「うわあああっ!? 豆が、豆がああっ!」
297:……やると思った。
298:b-tamaki_b3
299:ハルヒ
Haruhi
300:「先輩……、少し落ち着いてください」
301:b-tamaki_b3
302:b-tamaki_b2
303:b-tamaki_b2
304:b-tamaki_b2
305:環
Tamaki
306:「俺の手は、豆をつかむには向かないのだろう
307:か……。ご婦人方はあんなにも手にしていると
308:いうのに」
309:ハルヒ
Haruhi
310:「向いてるとか向いてないとかじゃないと思い
311:ますけどね」
312:b-tamaki_b2
313:環
Tamaki
314:「あ! 向こうでも――」
315:b-tamaki_b2
316:ハルヒ
Haruhi
317:「た、環先輩!?」
318:…………なんだか殿様に振り回されるお付きに
319:なってる気がしてきた。
320:そのあともずっとあの調子――。結局1フロア
321:を歩くだけなのに、2時間以上もかかってしまっ
322:た。
323:switch
324:さすがに疲れた……。
325:b-tamaki_b2
326:b-tamaki_b2
327:b-tamaki_b2
328:環
Tamaki
329:「どうしたハルヒ。まだまだこれからだぞ?」
330:ハルヒ
Haruhi
331:「まだですか? 自分はもう疲れました」
332:b-tamaki_b2
333:環
Tamaki
334:「もしかして! 俺のせいか!?」
335:ハルヒ
Haruhi
336:「もしかしなくても、環先輩以外に誰もいませ
337:ん」
338:b-tamaki_b2
339:環
Tamaki
340:「そうか……。気づけなかった俺を、許しておく
341:れ……。では、どこかレストランにでも――」
342:ハルヒ
Haruhi
343:「あれだけ試食をすれば充分です」
344:b-tamaki_b2
345:b-tamaki_b1
346:b-tamaki_b1
347:b-tamaki_b1
348:環
Tamaki
349:「それならカフェはどうかにゃ?」
350:b-tamaki_b1
351:お茶を飲むなら、屋上に行くかレストラン街で
352:落ち着いてゆっくりするかだね。
353:でも確か、レストラン街の喫茶店は高かったよ
354:うな気がする。
355:b-tamaki_b1
356:b-tamaki_b1
357:b-tamaki_b1
358:環
Tamaki
359:「……もう、…………帰る?」
360:ハルヒ
Haruhi
361:「まだ時間もありますから、屋上に――、って。
362:聞いてます? 環先輩」
363:環先輩は、少し離れたキッズコーナーをじっと
364:見つめていた。そこでは、子どもたちが楽しそ
365:うに遊んでいる。
366:…………。
367:b-tamaki_b1
368:ハルヒ
Haruhi
369:「一緒に遊びたいなら、行ってきてもいいです
370:よ。自分はここで待ってますから」
371:b-tamaki_b1
372:環
Tamaki
373:「……いや。ハルヒも昔はあんなふうに遊んで
374:いたのかと思っていた」
375:キッズコーナーに目を向けたまま、独り言のよ
376:うにつぶやく。
377:b-tamaki_b1
378:b-tamaki_b2
379:b-tamaki_b2
380:b-tamaki_b2
381:環
Tamaki
382:「小さい頃にハルヒと出会っていたら、一緒に
383:遊んでみたかったな」
384:そういえば、環先輩は――。
385:16
386:……お母さんが病気がちで、あまり外で遊べな
387:かったっていってたよね。
388:switch
389:ハルヒ
Haruhi
390:「今だって、変わらないじゃないですか」
391:b-tamaki_b2
392:環
Tamaki
393:「え?」
394:ハルヒ
Haruhi
395:「今日は2人だけでしたけど、いつもはみんな
396:一緒ですからね」
397:b-tamaki_b2
398:環
Tamaki
399:「――そうだな。次は、みんなで来よう」
400:ハルヒ
Haruhi
401:「え!? いや、それは――」
402:b-tamaki_b2
403:b-tamaki_b3
404:b-tamaki_b3
405:b-tamaki_b3
406:環
Tamaki
407:「うん! そうだ。部が再開したら、みんなで
408:遊びに来よう!!」
409:b-tamaki_b3
410:ここに光や馨たちが増えたらって考えるだけで
411:も疲れる……。
412:まあ、楽しくないかと言われたら……。そうで
413:もないんだけど。考えるのはまた今度にしよう。
414:b-tamaki_b2
415:b-tamaki_b2
416:b-tamaki_b2
417:ハルヒ
Haruhi
418:「環先輩――」
419:ピリリリリリリリリリリ。
420:b-tamaki_b2
421:環
Tamaki
422:「……すまない、ちょっと」
423:どうぞ、と手振りで環先輩をうながす。
424:b-tamaki_b2
425:tamaki_b
426:tamaki_b
427:tamaki_b
428:環
Tamaki
429:「もしもし、鏡夜?」
430:tamaki_b
431:鏡夜先輩から? もしかして、これから来たり
432:するのかな。
433:環
Tamaki
434:「……それは……、どうしてそんな……」
435:…………。
436:でも、環先輩の様子からはそんなふうには見え
437:ない。
438:環
Tamaki
439:「わかった。……すぐに行く」
440:b-tamaki_b2
441:b-tamaki_b2
442:b-tamaki_b2
443:ハルヒ
Haruhi
444:「……何かあったんですか?」
445:b-tamaki_b2
446:環
Tamaki
447:「鏡夜からだったんだが……、来週からホスト
448:部の一時活動停止が解けるらしい」
449:switch
450:ハルヒ
Haruhi
451:「それ……、いいことですよね」
452:それなのに、環先輩の表情は暗い。
453:ハルヒ
Haruhi
454:「他に何かあったんですね?」
455:b-tamaki_b2
456:b-tamaki_b1
457:b-tamaki_b1
458:b-tamaki_b1
459:環
Tamaki
460:「……処分を解いて存続させる代わりに、理事
461:長が、交代になるかもしれないそうだ」
462:理事長が交代って……、どうしてそんな……。
463:b-tamaki_b1
464:b-tamaki_b2
465:b-tamaki_b2
466:b-tamaki_b2
467:環
Tamaki
468:「……大丈夫だよ、ハルヒ。理事長の交代は、
469:まだ決定したわけじゃない」
470:ハルヒ
Haruhi
471:「でも……」
472:b-tamaki_b2
473:環
Tamaki
474:「とにかく、俺は鏡夜にくわしい話を聞いてく
475:る。ハルヒはこのまま――」
476:ハルヒ
Haruhi
477:「自分も行きます!」
478:b-tamaki_b2
479:b-tamaki_b1
480:b-tamaki_b1
481:b-tamaki_b1
482:環
Tamaki
483:「……すまないが、俺たちに任せてくれ」
484:環先輩は、自分から目をそらしてつぶやく。い
485:つもなら真っ直ぐに見つめるのに……。
486:すごく気になるけど……、ムリは言えない。
487:ハルヒ
Haruhi
488:「……わかりました。でも、ちゃんと説明して
489:くださいね」
490:b-tamaki_b1
491:b-tamaki_b2
492:b-tamaki_b2
493:b-tamaki_b2
494:環
Tamaki
495:「わかってる。……それじゃあ、気をつけて」
496:b-tamaki_b2
497:…………。
498:さすがの環先輩も、いつもの余裕をなくしてし
499:まっているように見えた。
500:大丈夫なのかな、本当に……。
501:switch
502:sure23
503:switch
504:鏡夜
Kyoya
505:「時間通りだな」
506:b-kyouya_b2
507:b-kyouya_b2
508:b-kyouya_b2
509:ハルヒ
Haruhi
510:「鏡夜先輩。……あれ? おひとりですか?」
511:てっきり環先輩と2人で来るとばかり思ってた
512:んだけど、どこにもその姿は見当たらない。
513:b-kyouya_b2
514:鏡夜先輩は軽いため息をつくと、あきれたよう
515:につぶやいた。
516:b-kyouya_b2
517:鏡夜
Kyoya
518:「あのバカ……。自分で予定を立てておきなが
519:ら、用事を忘れていたらしい」
520:鏡夜先輩の話によると、張り切って迎えに来た
521:環先輩は、それはもう大騒ぎだったらしい。
522:あまりの騒がしさに、鏡夜先輩がしかたなく
523:起きようとしたとき――。
524:家の用事をすっかり忘れていた環先輩を、メイ
525:ドさんたちが家に連れ帰ってしまったのだとか。
526:b-kyouya_b2
527:bg52
528:b-tamaki_b2
529:b-tamaki_b2
530:b-tamaki_b2
531:環
Tamaki
532:「離してくれ! 俺には大事な約束があるの
533:だ!! いやだああああーー!!」
534:b-tamaki_b2
535:b-tamaki_b3
536:b-tamaki_b3
537:b-tamaki_b3
538:環
Tamaki
539:「鏡夜、言ってやってくれ! 今日の用事がい
540:かに大切であるか!」
541:鏡夜
Kyoya
542:「…………」
543:b-tamaki_b3
544:環
Tamaki
545:「…………」
546:鏡夜
Kyoya
547:「…………いや、大した用じゃないな」
548:b-tamaki_b3
549:yama_r
550:環
Tamaki
551:#Pos[0,20]#Scale[1.4]「きょーーーやーーーーーっ!!」
552:b-tamaki_b3
553:環
Tamaki
554:「帰りたくないよーー! ハルヒ~~~!!
555:うわああああ…………」
556:bg67_a
557:b-kyouya_b1
558:b-kyouya_b1
559:b-kyouya_b1
560:…………。
561:環先輩の様子が目に浮かぶ。
562:b-kyouya_b1
563:鏡夜
Kyoya
564:「俺としては、そのまま約束自体をなかったこ
565:とにしても良かったんだが……」
566:b-kyouya_b1
567:鏡夜
Kyoya
568:「さすがに、涙を流しながら、娘を頼むと絶叫
569:されてはな……」
570:環先輩の涙の1割くらいは、鏡夜先輩のせいじゃ
571:ないかと思いますけど……。
572:ハルヒ
Haruhi
573:「これからどうしましょう?」
574:switch
575:b-kyouya_b1
576:b-kyouya_b2
577:b-kyouya_b2
578:b-kyouya_b2
579:鏡夜
Kyoya
580:「そうだな、あとで環に言い訳が立つ程度に、
581:適当に見て回ればいいだろう」
582:ハルヒ
Haruhi
583:「それじゃあ物産展に行って、みんなにお土産
584:でも買いましょう。環先輩の分だけだと、うる
585:さそうですから」
586:b-kyouya_b2
587:鏡夜
Kyoya
588:「名案だな。ハルヒからと言えば、あいつらも
589:満足するだろう」
590:ハルヒ
Haruhi
591:「そうだといいんですけどね。……それじゃあ
592:行きましょうか」
593:b-kyouya_b2
594:鏡夜
Kyoya
595:「案内は任せる」
596:b-kyouya_b2
597:そう言って、鏡夜先輩はあまり興味がなさそう
598:な様子であたりを見回した。
599:switch
600:sure7
601:switch
602:鏡夜
Kyoya
603:グラフキャラ
604:f4-6-21
605:b-kyouya_b1
606:b-kyouya_b1
607:b-kyouya_b1
608:鏡夜
Kyoya
609:「ハルヒ、物産展を見る前に頼みがある」
610:ハルヒ
Haruhi
611:「はあ、何でしょう?」
612:b-kyouya_b1
613:b-kyouya_b3
614:b-kyouya_b3
615:b-kyouya_b3
616:鏡夜
Kyoya
617:「朝からあのバカの騒ぎに付き合ったおかげで、
618:朝食をとる時間がなくてな……」
619:鏡夜
Kyoya
620:「どこでもかまわないから、手軽に食事のでき
621:るところへ案内してくれ」
622:ハルヒ
Haruhi
623:「それじゃあ、ファーストフードでも大丈夫で
624:すか?」
625:b-kyouya_b3
626:鏡夜
Kyoya
627:「ああ、任せる。こういった場所には不案内だ
628:からな」
629:……そうだった。お金持ちはデパートになんて
630:こないんですよね。
631:b-kyouya_b3
632:b-kyouya_b2
633:b-kyouya_b2
634:b-kyouya_b2
635:鏡夜
Kyoya
636:「食事の代金なら気にすることはない。元手は
637:こっちで出してやるから、好きなものを頼め」
638:ハルヒ
Haruhi
639:「え……、いいですよ! 自分の分は自分で払
640:いますから」
641:鏡夜先輩のオゴリだなんて、あとが怖い……。
642:b-kyouya_b2
643:b-kyouya_b1
644:b-kyouya_b1
645:b-kyouya_b1
646:鏡夜
Kyoya
647:「気にするな。オークションでさばいた、おま
648:えの私物の売り上げからだからな」
649:ハルヒ
Haruhi
650:「それって、元手は自分では……」
651:b-kyouya_b1
652:鏡夜
Kyoya
653:「何か問題でも?」
654:鏡夜先輩は、ニッコリと笑う。
655:ハルヒ
Haruhi
656:「いえ……、何も」
657:もう何も言うまい……。
658:b-kyouya_b1
659:bg70_a
660:注文のしかたを知らない鏡夜先輩には、席を
661:とっておいてもらって、自分は注文に行く。
662:鏡夜先輩のリクエストは――。
663:bg52
664:b-kyouya_b2
665:b-kyouya_b2
666:b-kyouya_b2
667:鏡夜
Kyoya
668:「量が多いものにしてくれ」
669:b-kyouya_b2
670:bg70_a
671:ということなので、1番ボリュームのありそう
672:なセットと、自分用にチキンサラダとドリンク
673:を選ぶ。
674:オーダーはすぐに通って、あっという間にレジ
675:へ届く。さすがファーストフード……。
676:switch
677:ev2060
678:ハルヒ
Haruhi
679:「……おいしいですか?」
680:鏡夜
Kyoya
681:「口には合わないが、食べられないこともない
682:な」
683:あ、やっぱり……。でも食べられるならいいよ
684:ね。
685:鏡夜
Kyoya
686:「おまえは、そのサラダだけで足りるのか?」
687:ハルヒ
Haruhi
688:「はい、自分は食べてきてますから」
689:そういう訳で、新発売のサラダを選んだんだけ
690:ど……。これがおいしい。照り焼きチキンとサ
691:ラダって意外に合う。
692:簡単そうだから、今度お父さんにも作ってあげ
693:ようかな。
694:鏡夜
Kyoya
695:「…………」
696:あれ? ……鏡夜先輩がじっと見てる?
697:視線の先は……、サラダ。たった今チキンとサ
698:ラダを突き刺した、自分のフォークみたいだけ
699:ど……。
700:タッチグループ
701:switch
702:switch
703:鏡夜
Kyoya
704:「何がしたいんだ、おまえは」
705:switch
706:鏡夜
Kyoya
707:「ん? どうした?」
708:switch
709:鏡夜
Kyoya
710:「くだらんことをするな」
711:switch
712:ev2061
713:bikkuri1_r
714:鏡夜
Kyoya
715:「お、おい……」
716:ハルヒ
Haruhi
717:「良かったら、どうぞ?」
718:チキンとサラダを突き刺したフォークを、先輩
719:の口元へと向けてみる。
720:鏡夜
Kyoya
721:「…………」
722:あれ、いらないのかな?
723:あ、そうか……。こういうのは、別のお皿に取
724:り分けないとダメなんだ。
725:ハルヒ
Haruhi
726:「すみません、つい」
727:ev2060
728:鏡夜
Kyoya
729:「…………」
730:手を引こうとしたとき、鏡夜先輩が食べてくれ
731:た。
732:bikkuri1_r
733:鏡夜
Kyoya
734:「なんだ? こんなところで周りの目を気にし
735:ても意味がないだろう」
736:ase
737:鏡夜
Kyoya
738:「……まあ、いきなりフォークを突き出された
739:ときは、多少おどろいたが」
740:ハルヒ
Haruhi
741:「お行儀が悪くてすみませんね。サラダを見て
742:たから、食べたいのかなって思ったんです」
743:鏡夜
Kyoya
744:「いや……、おまえ、サラダにドレッシングを
745:かけていただろう」
746:ハルヒ
Haruhi
747:「かけましたけど?」
748:サラダについてきたし。そういうものだと思っ
749:てたから……。
750:鏡夜
Kyoya
751:「フレンチドレッシングをかけたサラダに、和
752:風の照り焼きチキンの組み合わせはどうなのか
753:と思っただけだ」
754:…………そんなことを考えてたんですか。それ
755:なら聞いてくれれば良かったのに。でも、結局
756:は食べれたんだし、良かったんだよね。
757:ハルヒ
Haruhi
758:「どうでした? お味は」
759:鏡夜
Kyoya
760:「ドレッシングとのバランスが悪いな、かけす
761:ぎだ。だが、組み合わせとしては悪くない」
762:ハルヒ
Haruhi
763:「そうですか」
764:鏡夜
Kyoya
765:「……笑うところか? ……おい、そろそろ行
766:くぞ」
767:ハルヒ
Haruhi
768:「はい、わかってます」
769:残りのサラダを口に運びながら、いつも通りの
770:姿勢を崩さない鏡夜先輩の顔を見つめた。
771:switch
772:sure8
773:switch
774:bg72_a
775:…………。
776:ファーストフードを出て、物産展の会場に入る
777:と……。土曜日のお昼前ということもあって、
778:かなり込んでいた。
779:名産の漬け物、食器、地域限定のお菓子……。
780:いろんな品物が並んでいて、見ているだけでも
781:けっこう楽しい。
782:あ、あの和菓子……。
783:b-kyouya_b2
784:b-kyouya_b2
785:b-kyouya_b2
786:鏡夜
Kyoya
787:「どうした?」
788:ハルヒ
Haruhi
789:「いえ、何でもないです」
790:お母さんがお土産に買ってきてくれたお菓子に
791:似てる気がしたんだけど……。気のせいかな。
792:まあ、ひとつ3000円だし……、自分には手
793:が出ない高級和菓子なんだけど。
794:b-kyouya_b2
795:b-kyouya_b1
796:b-kyouya_b1
797:b-kyouya_b1
798:鏡夜
Kyoya
799:「そうか。それなら土産を選んでおいてくれ」
800:ハルヒ
Haruhi
801:「あれ、鏡夜先輩は?」
802:b-kyouya_b1
803:鏡夜
Kyoya
804:「別のところを見てくる」
805:b-kyouya_b1
806:そう言って、鏡夜先輩は人込みのなかへ消えて
807:いった。
808:………何か欲しいものでもあったのかな? ま
809:あいいや。鏡夜先輩が戻ってくる前に、お土産
810:を選ばないと。
811:…………。
812:うーん……。ハニー先輩がいることを考えると、
813:やっぱり食べ物だよね。
814:おせんべいや和菓子は……、違うよね。そうな
815:ると洋菓子なんだけど、チョコレートやクッキー
816:だよね。
817:あとは、日持ちしたほうがいいかな。そう考え
818:ると――。
819:『福岡めんたいチョコレート』
820:『大阪名物たこ焼きクッキー』
821:『青森限定りんごクッキー』
822:選ぼうとすると、変わった品物ばかりが目につ
823:く。しかも試食がないから、味を確かめること
824:もできない。
825:switch
826:あ、となりの北海道ブースのお菓子がいいかな。
827:『北海道特選メロンクッキー』
828:普通といえば普通だけど、日持ちもするし、値
829:段も安くてたくさん入ってるからこれにしよう。
830:ハルヒ
Haruhi
831:「すみません、これくださーい」
832:店員さんから紙袋を受け取ると同時に、鏡夜先
833:輩が戻ってきた。
834:b-kyouya_b2
835:b-kyouya_b2
836:b-kyouya_b2
837:鏡夜
Kyoya
838:「決まったようだな」
839:ハルヒ
Haruhi
840:「はい、今買ったところです」
841:b-kyouya_b2
842:b-kyouya_b1
843:b-kyouya_b1
844:b-kyouya_b1
845:鏡夜
Kyoya
846:「なら帰るぞ……。と言いたいところだが、せっ
847:かくの機会だから他のフロアも見て回るか」
848:ハルヒ
Haruhi
849:「……ご案内します」
850:人込みにうんざりしたと思ったんだけど。ちょっ
851:と意外だなあ。
852:b-kyouya_b1
853:bg73_a
854:b-kyouya_b2
855:b-kyouya_b2
856:b-kyouya_b2
857:鏡夜
Kyoya
858:「商品価値はともかくとして、品ぞろえと数だ
859:けは豊富なようだな」
860:ハルヒ
Haruhi
861:「デパートですからね」
862:いつも先輩が買うような品物とは、価値がまっ
863:たく違うでしょうとも。
864:ハルヒ
Haruhi
865:「何か気になるもの、ありましたか?」
866:b-kyouya_b2
867:鏡夜
Kyoya
868:「いや。……環や双子たちがいれば、喜びそう
869:なものはあったがな」
870:b-kyouya_b2
871:環先輩や光たちなら、確かに何を見ても大騒ぎ
872:しそうだ……。想像するだけで疲れるなあ。
873:……一緒にいるのが鏡夜先輩で良かったかもし
874:れない。
875:そう思っていると、鏡夜先輩は足を止めて周り
876:を見渡して満足そうに言った。
877:b-kyouya_b1
878:b-kyouya_b1
879:b-kyouya_b1
880:鏡夜
Kyoya
881:「この辺でいいだろう。帰るぞ、ハルヒ」
882:ハルヒ
Haruhi
883:「はい」
884:switch
885:b-kyouya_b1
886:bg67_a
887:1階に下りてきて、そろそろ別れて帰ろうかと
888:いうとき――。
889:b-kyouya_b1
890:b-kyouya_b1
891:b-kyouya_b1
892:鏡夜
Kyoya
893:「忘れ物だ、ハルヒ」
894:そう言って鏡夜先輩は、小さな包みを自分の手
895:にのせる。
896:ハルヒ
Haruhi
897:「何ですか、これ?」
898:押しつけられた包みを見ていると、鏡夜先輩は
899:ため息まじりに言った。
900:b-kyouya_b1
901:鏡夜
Kyoya
902:「お前と別れたあと、しつこい店員に捕まって
903:な。買うまで離さないとしがみつかれた」
904:ハルヒ
Haruhi
905:「……勇気のある人というか、無謀な人がいる
906:んですね」
907:b-kyouya_b1
908:鏡夜
Kyoya
909:「……どういう意味かな?」
910:ハルヒ
Haruhi
911:「い、いえ、別に」
912:b-kyouya_b1
913:鏡夜
Kyoya
914:「話すのも面倒だったから買ってみたが、どう
915:考えても俺には必要のないものだ」
916:ハルヒ
Haruhi
917:「ようするに、いらない物を自分に押し付けて
918:いるんですね」
919:b-kyouya_b1
920:鏡夜
Kyoya
921:「人聞きの悪いことを言ってくれるな」
922:事実だと思うんですけどねと思いながら、受け
923:取った包みをよく見てみると――。
924:ハルヒ
Haruhi
925:「鏡夜先輩、これ高級和菓子の……」
926:b-kyouya_b1
927:b-kyouya_b2
928:b-kyouya_b2
929:b-kyouya_b2
930:鏡夜
Kyoya
931:「気に入ったのか? 良かったじゃないか」
932:ハルヒ
Haruhi
933:「そうじゃなくって……」
934:なんだろう、あんまりうまく言えないけど。
935:ハルヒ
Haruhi
936:「――鏡夜先輩は、何かをごまかそうとすると
937:き、おしゃべりになるんですね」
938:b-kyouya_b2
939:…………。
940:b-kyouya_b2
941:鏡夜
Kyoya
942:「それなりに、興味深い考察だな」
943:switch
944:そう言っていつものように笑ったとき――。
945:ピリリリリリリリリリリ。
946:b-kyouya_b2
947:鏡夜
Kyoya
948:「……悪いな」
949:どうぞ、と手振りで鏡夜先輩をうながす。
950:b-kyouya_b2
951:鏡夜
Kyoya
952:「ああ、俺だ。……どうした?」
953:誰からの電話だろう……。
954:鏡夜
Kyoya
955:「確かなんだな……。それで?」
956:声の様子から、あまり楽しい話ではないことは
957:想像できる。
958:鏡夜
Kyoya
959:「わかった、すぐに行く」
960:b-kyouya_b1
961:b-kyouya_b1
962:b-kyouya_b1
963:…………。
964:ハルヒ
Haruhi
965:「……何かあったんですか?」
966:鏡夜
Kyoya
967:「ああ……。来週でホスト部の一時活動停止が
968:解ける」
969:ハルヒ
Haruhi
970:「それ……、いいことですよね」
971:でも……、鏡夜先輩はぜんぜん笑っていない。
972:ハルヒ
Haruhi
973:「他に何かあったんですね?」
974:b-kyouya_b1
975:鏡夜
Kyoya
976:「……理事長が交代するかもしれん。一言で言
977:うなら、失脚だ」
978:理事長が交代って、どうしてそんな……。
979:b-kyouya_b1
980:鏡夜
Kyoya
981:「まだ決定じゃない。事実を確認するまではう
982:ろたえるな」
983:鏡夜
Kyoya
984:「俺も詳しい話を聞いて、それから調べる。お
985:まえは……」
986:ハルヒ
Haruhi
987:「自分も行きます!」
988:switch
989:b-kyouya_b1
990:b-kyouya_b2
991:b-kyouya_b2
992:b-kyouya_b2
993:鏡夜
Kyoya
994:「残念だが、おまえにできることはない」
995:…………。
996:すごく気になるけど……、無理は言えない。
997:ハルヒ
Haruhi
998:「……わかりました。でも、ちゃんと説明して
999:くださいね」
1000:b-kyouya_b2
1001:鏡夜
Kyoya
1002:「ああ……」
1003:b-kyouya_b2
1004:…………。
1005:さすがに鏡夜先輩も、いつもの冷静さをなくし
1006:てしまっているように見えた。
1007:大丈夫なのかな……。
1008:switch
1009:sure23
1010:switch
1011:#Color[7]#Scale[1.8]デパート 1階 案内板前
1012:…………。
1013:約束の時間からもう15分過ぎてるのに、光と
1014:馨はまだ来ていない。
1015:…………。
1016:……。
1017:あと5分待って来なかったら帰ろうかなと思っ
1018:たとき――。
1019:光
Hikaru
1020:馨
Kaoru
1021:switch
1022:sure10
1023:switch
1024:sure13
1025:switch
1026:不機嫌そうな光が、目の前に現れた。
1027:b-hikaru_b1
1028:b-hikaru_b1
1029:b-hikaru_b1
1030:光
Hikaru
1031:「…………」
1032:ハルヒ
Haruhi
1033:「あれ? 馨はどうしたの?」
1034:光
Hikaru
1035:「……風邪ひいたって」
1036:ハルヒ
Haruhi
1037:「そうなの? どうしよ、帰る?」
1038:b-hikaru_b1
1039:b-hikaru_b2
1040:b-hikaru_b2
1041:b-hikaru_b2
1042:光
Hikaru
1043:「僕は別にそれでもいいんだけど、馨がさ」
1044:b-hikaru_b2
1045:bg52
1046:b-kaoru_b1
1047:b-kaoru_b1
1048:b-kaoru_b1
1049:馨
Kaoru
1050:「ゴホッ、ゴホッ……。光は僕のぶんも、ハル
1051:ヒをちゃんとエスコートしてきて」
1052:b-kaoru_b1
1053:馨
Kaoru
1054:「もしできなかったら、光とはしばらく口きか
1055:ないからね!」
1056:b-kaoru_b1
1057:馨
Kaoru
1058:「いーい? わかった?」
1059:b-kaoru_b1
1060:bg67_a
1061:b-hikaru_b2
1062:b-hikaru_b2
1063:b-hikaru_b2
1064:光
Hikaru
1065:「……だってさ」
1066:ハルヒ
Haruhi
1067:「ふーん。そんなに気をつかってくれなくても
1068:いいのに」
1069:馨らしいといえば、らしいのかな。
1070:b-hikaru_b2
1071:b-hikaru_b1
1072:b-hikaru_b1
1073:b-hikaru_b1
1074:光
Hikaru
1075:「……とにかく、今日は僕がハルヒの相手する
1076:から」
1077:ハルヒ
Haruhi
1078:「うん、わかった」
1079:せっかくだし、2人で見回ればいいのかな。
1080:switch
1081:sure11
1082:switch
1083:光
Hikaru
1084:グラフキャラ
1085:f4-6-31
1086:b-hikaru_b1
1087:光
Hikaru
1088:「で、どーすんの。どっか見たいトコとかあれ
1089:ば、付き合うけど」
1090:ハルヒ
Haruhi
1091:「別に。光は?」
1092:b-hikaru_b1
1093:b-hikaru_b2
1094:b-hikaru_b2
1095:b-hikaru_b2
1096:光
Hikaru
1097:「はあ? こんなトコ初めてなんだから、何が
1098:あるのか――。じゃなくて……」
1099:b-hikaru_b2
1100:光
Hikaru
1101:「えっと、なんか買いたい物とかないの?」
1102:買いたい物って言われても。
1103:ハルヒ
Haruhi
1104:「別に欲しい物はないし」
1105:b-hikaru_b2
1106:b-hikaru_b1
1107:b-hikaru_b1
1108:b-hikaru_b1
1109:光
Hikaru
1110:「じゃあ、別のところに行く? 移動するなら、
1111:タクシーとかうちの車を呼んで……」
1112:ハルヒ
Haruhi
1113:「え、いいよそんな。面倒くさいじゃん」
1114:b-hikaru_b1
1115:光
Hikaru
1116:「面倒って……、おまえな」
1117:そのとき、ふと天井から下がるプラカードに目
1118:がとまった。
1119:ハルヒ
Haruhi
1120:「物産展やってるんだ。行ってみようよ」
1121:b-hikaru_b1
1122:光
Hikaru
1123:「あ、待てよハルヒ! ったく……」
1124:bg72_a
1125:全国の名産品を一堂に集めた――、というのが
1126:売りらしい物産展は、かなり賑わっていた。
1127:b-hikaru_b3
1128:b-hikaru_b3
1129:b-hikaru_b3
1130:光
Hikaru
1131:「……食いモンばっかじゃん」
1132:ハルヒ
Haruhi
1133:「あ、これなんかおいしそうだよ?」
1134:b-hikaru_b3
1135:店員
Shop Assistant
1136:「ご試食どうぞー」
1137:店員さんにすすめられるまま、おだんごを試食
1138:してみる。……うん、おいしい。
1139:b-hikaru_b1
1140:b-hikaru_b1
1141:b-hikaru_b1
1142:光
Hikaru
1143:「おい! 腹が減ってるならレストランにでも
1144:入ればいいだろ。こんなトコで……」
1145:ハルヒ
Haruhi
1146:「光も食べてみてよ。はい」
1147:光
Hikaru
1148:「だから、そういうことじゃなくて!」
1149:文句ばかりの口のなかに、おだんごを放り込ん
1150:でみる。
1151:switch
1152:b-hikaru_b1
1153:b-hikaru_b2
1154:b-hikaru_b2
1155:b-hikaru_b2
1156:ハルヒ
Haruhi
1157:「どう? おいしい?」
1158:b-hikaru_b2
1159:光
Hikaru
1160:「…………わりとイケる、……けど!」
1161:b-hikaru_b2
1162:ふうん、こういうのも平気なんだ。じゃあ、次
1163:は……。
1164:光
Hikaru
1165:「なんなんだよ、おまえ。勝手に動くなっつー
1166:の!」
1167:b-hikaru_b3
1168:b-hikaru_b3
1169:b-hikaru_b3
1170:あわてて追いかけてくる光に、今度は別の試食
1171:品を差し出す。
1172:ハルヒ
Haruhi
1173:「はい、これ。山菜の漬け物だって」
1174:b-hikaru_b3
1175:b-hikaru_b2
1176:b-hikaru_b2
1177:b-hikaru_b2
1178:光
Hikaru
1179:「…………ウマいけど」
1180:うん、さっきのより気に入ったみたい。
1181:b-hikaru_b2
1182:ハルヒ
Haruhi
1183:「すみません、これ2つください」
1184:店員
Shop Assistant
1185:「はーい、ありがとうございます」
1186:包んでもらった漬け物を受け取って、他のお店
1187:に行こうとすると――。
1188:b-hikaru_b1
1189:b-hikaru_b1
1190:b-hikaru_b1
1191:ikari
1192:光
Hikaru
1193:「……あのさあ、食い物なんかどうだっていい
1194:じゃん」
1195:イライラした光に、引き止められる。
1196:ハルヒ
Haruhi
1197:「だって、光の口に合うってことは、馨も食べ
1198:られるってことでしょう?」
1199:b-hikaru_b1
1200:b-hikaru_b2
1201:b-hikaru_b2
1202:b-hikaru_b2
1203:光
Hikaru
1204:「え……?」
1205:ハルヒ
Haruhi
1206:「これ、馨のお土産だから」
1207:b-hikaru_b2
1208:光
Hikaru
1209:「……早く言ってくれれば、僕だって……」
1210:ハルヒ
Haruhi
1211:「あれ? 言わなかった?」
1212:b-hikaru_b2
1213:b-hikaru_b1
1214:b-hikaru_b1
1215:b-hikaru_b1
1216:光
Hikaru
1217:「聞いてないよ」
1218:ハルヒ
Haruhi
1219:「じゃ、次は光が選んでよ」
1220:switch
1221:b-hikaru_b1
1222:光
Hikaru
1223:「……うん」
1224:b-hikaru_b1
1225:すっかり笑顔の戻った光は、馨のお土産を楽し
1226:そうに選び始めた。
1227:馨のお土産を選び終わって――。
1228:b-hikaru_b3
1229:b-hikaru_b3
1230:b-hikaru_b3
1231:光
Hikaru
1232:「ノド渇いたし、どっか入んない?」
1233:ハルヒ
Haruhi
1234:「いいよ。えっと、あそこでいい?」
1235:通路を挟んだ向かい側にあるファーストフード
1236:のお店を指差す。
1237:b-hikaru_b3
1238:b-hikaru_b2
1239:b-hikaru_b2
1240:b-hikaru_b2
1241:光
Hikaru
1242:「いいんじゃない? 庶民の店ってカンジで」
1243:機嫌が良くなったと思ったら、口が悪くなるん
1244:だから。
1245:b-hikaru_b2
1246:bg70_a
1247:光に席を取っておいてもらって、その間に注文
1248:をすませる。
1249:ハルヒ
Haruhi
1250:「……どうしようかな、これ」
1251:【カップルお客様デー】っていう企画をやって
1252:いて、2人用のドリンクをサービスしてもらっ
1253:たんだけど。
1254:ハートのストローが2本って……。どうせなら、
1255:別々に飲み物をサービスしてくれれば良かった
1256:のに。
1257:bg71_a
1258:b-hikaru_b1
1259:b-hikaru_b1
1260:b-hikaru_b1
1261:光
Hikaru
1262:「…………ナニそれ」
1263:ハルヒ
Haruhi
1264:「サービスだって。くれるっていうから、もらっ
1265:たんだけど」
1266:b-hikaru_b1
1267:光
Hikaru
1268:「ふーん。で、僕のコーヒーは?」
1269:ハルヒ
Haruhi
1270:「頼んでないよ?」
1271:b-hikaru_b1
1272:b-hikaru_b2
1273:b-hikaru_b2
1274:b-hikaru_b2
1275:光
Hikaru
1276:「はあ!? 何で?」
1277:ハルヒ
Haruhi
1278:「だって、これもらったし」
1279:b-hikaru_b2
1280:光
Hikaru
1281:「おまえなあ……」
1282:ハルヒ
Haruhi
1283:「はいはい、文句ばっかり言わない」
1284:switch
1285:b-hikaru_b2
1286:ev3040
1287:トレイをテーブルに置くと、光はさっさと自分
1288:の手前に引き寄せて飲み始める。
1289:ハルヒ
Haruhi
1290:「それ、2人分だよ」
1291:光
Hikaru
1292:「へー、そうなんだ」
1293:ハルヒ
Haruhi
1294:「あのねえ……」
1295:まさかとは思うけど、1人でぜんぶ飲んじゃう
1296:つもりかな? それなら無くなる前に――。
1297:タッチグループ
1298:switch
1299:switch
1300:光
Hikaru
1301:「……なんだよ」
1302:switch
1303:光
Hikaru
1304:「ジャマすんなよなー」
1305:switch
1306:光
Hikaru
1307:「何?」
1308:switch
1309:ev3041
1310:bikkuri2_l
1311:光
Hikaru
1312:「え? おまえも飲むの!?」
1313:ハルヒ
Haruhi
1314:「だから、2人分なんだって」
1315:ストローに手を伸ばしただけなのに、そんなに
1316:おどろかなくてもいいと思うんだけど。
1317:ase
1318:光
Hikaru
1319:「…………わかってるけど」
1320:ハルヒ
Haruhi
1321:「じゃあいいよね」
1322:光
Hikaru
1323:#Pos[0,20]#Scale[1.4]      「わっ」
1324:bg71_a
1325:b-hikaru_b2
1326:b-hikaru_b2
1327:b-hikaru_b2
1328:ストローに口をつけようと顔を寄せると、光は
1329:あわてたように体を引いた。
1330:ハルヒ
Haruhi
1331:「どうしたの?」
1332:光
Hikaru
1333:「も、もういらない。……ハルヒにあげる」
1334:ハルヒ
Haruhi
1335:「でも、まだたくさん残ってるよ」
1336:switch
1337:b-hikaru_b2
1338:b-hikaru_b3
1339:b-hikaru_b3
1340:b-hikaru_b3
1341:光
Hikaru
1342:「いらないってば」
1343:b-hikaru_b3
1344:ハルヒ
Haruhi
1345:「そうなの? じゃあ、ポテトは光が食べてい
1346:いよ」
1347:ポテトを光の前に寄せて、ストローに口をつけ
1348:る。ん、冷たくておいしい。
1349:b-hikaru_b3
1350:b-hikaru_b2
1351:b-hikaru_b2
1352:b-hikaru_b2
1353:光
Hikaru
1354:「……少しは気にしろよな」
1355:ハルヒ
Haruhi
1356:「気にするって何を?」
1357:b-hikaru_b2
1358:光
Hikaru
1359:「何をって、そんなの僕にわかるわけないだろ」
1360:ハルヒ
Haruhi
1361:「へんなの」
1362:不機嫌そうにポテトを食べる光を見ながら、
1363:ジュースを飲んだ。
1364:b-hikaru_b2
1365:switch
1366:sure12
1367:switch
1368:bg68_a
1369:b-hikaru_b1
1370:b-hikaru_b1
1371:b-hikaru_b1
1372:ハルヒ
Haruhi
1373:「ありがとね、光」
1374:b-hikaru_b1
1375:光
Hikaru
1376:「馨がいないのが残念だけど、結構おもしろかっ
1377:たからいいよ。あのときなんてさ……」
1378:……そんなに笑うことかな。
1379:b-hikaru_b1
1380:しばらく休憩したあと、せっかく来たんだからっ
1381:て食品売り場を回ってみたんだけど――。
1382:bg52
1383:ハルヒ
Haruhi
1384:「お肉が3パックで1000円だって。どれが
1385:いいかな……。あ、光、そこのお豆腐も持って
1386:きてくれる?」
1387:光
Hikaru
1388:「豆腐って、これ?」
1389:ハルヒ
Haruhi
1390:「そうだけど、100円引きってシールが貼っ
1391:てあるほうにして」
1392:光
Hikaru
1393:「…………セコっ」
1394:ハルヒ
Haruhi
1395:「あ、向こうで卵のタイムセールだって。おひ
1396:とり様1パックだから、光も一緒に並んで」
1397:光
Hikaru
1398:「えーっ、めんどくさい」
1399:ハルヒ
Haruhi
1400:「ほら、はやく」
1401:いろいろ買い物をしたあと、菓子売り場に寄っ
1402:て――。
1403:ev3050
1404:光
Hikaru
1405:「これ、いいんじゃないの?」
1406:ハルヒ
Haruhi
1407:「それなら、あと1時間くらいでタイムサービ
1408:スになるよ」
1409:光
Hikaru
1410:「何それ?」
1411:ハルヒ
Haruhi
1412:「決まった時間に、安くなるサービス」
1413:bou_l
1414:光
Hikaru
1415:「それなら、100個くらい買っていこうか?」
1416:ase
1417:ハルヒ
Haruhi
1418:「……誰が持つの、それ」
1419:光
Hikaru
1420:「もちろんハルヒ。……っていうのは冗談で車
1421:呼ぶし」
1422:……お金持ちのスケールには、ついていけない。
1423:bg68_a
1424:b-hikaru_b2
1425:b-hikaru_b2
1426:b-hikaru_b2
1427:光
Hikaru
1428:「今度は絶対、馨も一緒に来ないとね。もちろ
1429:ん、ハルヒも」
1430:switch
1431:ピリリリリリリリリリ……。
1432:b-hikaru_b2
1433:そうだねって答えようとしたとき、光のポケッ
1434:トから携帯電話の着信音が鳴りひびいた。
1435:b-hikaru_b2
1436:光
Hikaru
1437:「きっと馨からだ」
1438:そう言いながら、光は携帯電話を取り出す。
1439:b-hikaru_b2
1440:光
Hikaru
1441:「――鏡夜先輩? あ……、はい……」
1442:b-hikaru_b2
1443:……どうしたんだろう。鏡夜先輩から電話なん
1444:て。
1445:光は難しい顔をして、何度か相づちを打ってば
1446:かりだけど。
1447:…………。
1448:……。
1449:光
Hikaru
1450:「すぐ行きます……」
1451:沈んだ声でつぶやいて、光は電話を切った。
1452:b-hikaru_b1
1453:b-hikaru_b1
1454:b-hikaru_b1
1455:光
Hikaru
1456:「来週から、一時活動停止の処分が解けるんだ
1457:けど、理事長が交代するかもしれないってさ」
1458:ハルヒ
Haruhi
1459:「それ、どういうこと?」
1460:b-hikaru_b1
1461:光
Hikaru
1462:「これから、鏡夜先輩のところに行って聞いて
1463:くる。だからハルヒは――」
1464:ハルヒ
Haruhi
1465:「一緒に行く」
1466:b-hikaru_b1
1467:光
Hikaru
1468:「……ごめん」
1469:そう言って、光はうつむいてしまった。
1470:…………。
1471:すごく気になるけど……。
1472:ハルヒ
Haruhi
1473:「自分にも、ちゃんと説明してくれるよね」
1474:switch
1475:b-hikaru_b1
1476:b-hikaru_b2
1477:b-hikaru_b2
1478:b-hikaru_b2
1479:光
Hikaru
1480:「わかってる。……じゃあ、学校で」
1481:b-hikaru_b2
1482:タタタタタタタ……。
1483:…………。
1484:走っていく光の後ろ姿が小さくなると、不安が
1485:少しずつ大きくなっていく。
1486:大丈夫なのかな……。
1487:switch
1488:sure23
1489:switch
1490:人込みをかき分けるように、馨が走ってきた。
1491:b-kaoru_b2
1492:b-kaoru_b2
1493:b-kaoru_b2
1494:馨
Kaoru
1495:「……ハルヒ。ごめんね、遅れて」
1496:ハルヒ
Haruhi
1497:「あれ、光は?」
1498:b-kaoru_b2
1499:b-kaoru_b1
1500:b-kaoru_b1
1501:b-kaoru_b1
1502:馨
Kaoru
1503:「どうしても行きたくないって」
1504:ハルヒ
Haruhi
1505:「そっか……」
1506:b-kaoru_b1
1507:馨
Kaoru
1508:「ハルヒが悪いんじゃないよ。……八つ当たり
1509:みたいなもんかな」
1510:そう言って馨は、光の様子を教えてくれた。
1511:b-kaoru_b1
1512:bg52
1513:b-hikaru_b2
1514:b-hikaru_b2
1515:b-hikaru_b2
1516:光
Hikaru
1517:「僕、行かない。馨ひとりで行けば?」
1518:馨
Kaoru
1519:「ダメだってば。ちゃんと仲直りしようって、
1520:約束したでしょ?」
1521:b-hikaru_b2
1522:b-hikaru_b3
1523:b-hikaru_b3
1524:b-hikaru_b3
1525:ikari
1526:光
Hikaru
1527:「行かないったら行かない! 仲直りなんてし
1528:てやるもんか!!」
1529:b-hikaru_b3
1530:bg67_a
1531:b-kaoru_b1
1532:b-kaoru_b1
1533:b-kaoru_b1
1534:馨
Kaoru
1535:「ま、そーいうワケだから」
1536:ハルヒ
Haruhi
1537:「朝からずっと?」
1538:b-kaoru_b1
1539:馨
Kaoru
1540:「そうだよ。でも、本気じゃないからね。光っ
1541:て、ハルヒのことかなり気に入ってるからさ」
1542:ハルヒ
Haruhi
1543:「そうなの?」
1544:気に入ってるって言われると、『おもちゃ』み
1545:たいでイヤかもしれない。
1546:ハルヒ
Haruhi
1547:「……えっと、それじゃあどうしよ? 今日は
1548:もう帰る?」
1549:b-kaoru_b1
1550:b-kaoru_b2
1551:b-kaoru_b2
1552:b-kaoru_b2
1553:馨
Kaoru
1554:「ううん。せっかく庶民デパートまで来たんだ
1555:し、案内してくれない?」
1556:ハルヒ
Haruhi
1557:「いいよ。じゃあ、行こっか」
1558:b-kaoru_b2
1559:馨
Kaoru
1560:「よろしくね」
1561:そう言って馨は笑ったけど、少しだけ寂しそう
1562:に見えた。
1563:b-kaoru_b2
1564:switch
1565:sure14
1566:switch
1567:馨
Kaoru
1568:グラフキャラ
1569:f4-6-41
1570:bg68_a
1571:b-kaoru_b3
1572:b-kaoru_b3
1573:b-kaoru_b3
1574:…………。
1575:ハルヒ
Haruhi
1576:「どこか見たいところある?」
1577:b-kaoru_b3
1578:b-kaoru_b2
1579:b-kaoru_b2
1580:b-kaoru_b2
1581:馨
Kaoru
1582:「……え、うん。すごく込んでるね……」
1583:ハルヒ
Haruhi
1584:「日曜日はもっと込むよ」
1585:b-kaoru_b2
1586:馨
Kaoru
1587:「ふーん、そうなんだ」
1588:b-kaoru_b2
1589:つぶやきながら、馨はあたりを見回す。でも、
1590:興味があるって言うより、ぼんやりながめてる
1591:だけって感じ。
1592:光と一緒なら、はしゃいで手がつけられなさそ
1593:うなのに。
1594:…………。
1595:あ、そっか。光のことが気になってるんだ。そ
1596:れなら――。
1597:b-kaoru_b1
1598:b-kaoru_b1
1599:b-kaoru_b1
1600:ハルヒ
Haruhi
1601:「ねえ馨。光にお土産、買っていってあげな
1602:い?」
1603:b-kaoru_b1
1604:馨
Kaoru
1605:「……ハルヒ」
1606:ハルヒ
Haruhi
1607:「じゃあ、物産展に行こっか」
1608:b-kaoru_b1
1609:b-kaoru_b3
1610:b-kaoru_b3
1611:b-kaoru_b3
1612:そう言うと、馨はいつもの笑顔でうなずいた。
1613:b-kaoru_b3
1614:bg72_a
1615:…………。
1616:人の流れにあわせて会場を歩きながら、光のお
1617:土産を探す。
1618:お土産になりそうな物はたくさんあるけど、光
1619:が好きそうかなって思うと……、違うような気
1620:もする。
1621:あ、山芋の漬け物……。おいしそうだけど、
1622:『そんなダッサイもんイラナイ』とか言われそ
1623:うだなあ。
1624:店員
Shop Assistant
1625:「試食はどうですかー?」
1626:ハルヒ
Haruhi
1627:「あ、いただきます」
1628:もぐもぐ……。
1629:switch
1630:ん、おいしい。これ買って、光がいらないって
1631:言ったら自分で食べよう。
1632:ハルヒ
Haruhi
1633:「すみません、これ2袋ください」
1634:店員
Shop Assistant
1635:「ハーイ。毎度どうもー♪」
1636:漬け物を包んでもらって受け取ったとき、馨の
1637:姿が見当たらないことに気づいた。
1638:……買い物に夢中で、すっかり忘れてた。
1639:…………。
1640:馨
Kaoru
1641:「ハルヒー!」
1642:ハルヒ
Haruhi
1643:「……馨?」
1644:声の方向に目を向けると、少し離れたところか
1645:ら馨が手を振っていた。
1646:ev4040
1647:馨
Kaoru
1648:「これ食べてみなよ。大人気なんだってさ」
1649:bikkuri1_r
1650:ハルヒ
Haruhi
1651:「……何これ?」
1652:馨の手には、ピンクの粒が入ったあやしげなソ
1653:フトクリームが握られている。
1654:これが、大人気? あんまりおいしそうには見
1655:えないし、なんとなく油っぽそう。
1656:bou_l
1657:馨
Kaoru
1658:「この粒、大トロなんだよ。高級アイスだって
1659:お店の人が言ってた」
1660:kira
1661:ハルヒ
Haruhi
1662:「大トロ……」
1663:あのピンクの粒が大トロ。――そう思うと、自
1664:然と手が出てしまう。
1665:馨
Kaoru
1666:「はい、どうぞ」
1667:ハルヒ
Haruhi
1668:「ありがと……」
1669:bg72_a
1670:アイスを受け取って、ぺろっとひと口なめてみ
1671:る。
1672:b-kaoru_b1
1673:b-kaoru_b1
1674:b-kaoru_b1
1675:馨
Kaoru
1676:「ね? おいしい?」
1677:switch
1678:…………。
1679:……。
1680:ハルヒ
Haruhi
1681:「…………おいしい……」
1682:b-kaoru_b1
1683:b-kaoru_b3
1684:b-kaoru_b3
1685:b-kaoru_b3
1686:yama_l
1687:馨
Kaoru
1688:「ウソでしょ!? どう考えてもアイスに大ト
1689:ロなんて合うわけないよ!」
1690:ハルヒ
Haruhi
1691:「だから馨、自分の分は買わなかったんだ?」
1692:b-kaoru_b3
1693:馨
Kaoru
1694:「…………ま、まあね」
1695:まったく、すぐ人をおもちゃにしようとするん
1696:だから。
1697:ハルヒ
Haruhi
1698:「はい、ひと口どうぞ」
1699:b-kaoru_b3
1700:b-kaoru_b2
1701:b-kaoru_b2
1702:b-kaoru_b2
1703:馨
Kaoru
1704:「ぼ、僕はいいよ」
1705:ハルヒ
Haruhi
1706:「大丈夫、本当においしいんだって」
1707:ぐいっとアイスを口元に突き出す――。
1708:b-kaoru_b2
1709:馨
Kaoru
1710:「……おいしくなかったら、罰ゲームだよ?」
1711:ハルヒ
Haruhi
1712:「やだよ、何でそんな……」
1713:b-kaoru_b2
1714:b-kaoru_b1
1715:b-kaoru_b1
1716:b-kaoru_b1
1717:馨は笑って、アイスに口をつけた。
1718:ハルヒ
Haruhi
1719:「……どう?」
1720:b-kaoru_b1
1721:…………。
1722:b-kaoru_b1
1723:bou_r
1724:馨
Kaoru
1725:「ほんとだ……、おいしい」
1726:ハルヒ
Haruhi
1727:「でしょ?」
1728:b-kaoru_b1
1729:b-kaoru_b2
1730:b-kaoru_b2
1731:b-kaoru_b2
1732:馨
Kaoru
1733:「……やっぱり、光も連れてくれば良かった」
1734:switch
1735:ぽつりと、馨がつぶやく。
1736:ハルヒ
Haruhi
1737:「じゃあ、今度は3人で来よっか」
1738:b-kaoru_b2
1739:そうだね、と馨はうれしそうにうなずいた。
1740:b-kaoru_b2
1741:switch
1742:sure15
1743:switch
1744:bg68_a
1745:…………。
1746:光へのお土産も買い終わって、そろそろ帰ろう
1747:というとき、後ろから服を引っ張られた。
1748:ハルヒ
Haruhi
1749:「え、何?」
1750:男の子
Small Boy
1751:「ひっく、おにいちゃん……」
1752:ふり返ってみると、小さな男の子が自分の服を
1753:にぎって立っていた。
1754:b-kaoru_b1
1755:b-kaoru_b1
1756:b-kaoru_b1
1757:馨
Kaoru
1758:「もしかして、ハルヒの弟?」
1759:ハルヒ
Haruhi
1760:「……そんなわけないじゃん」
1761:b-kaoru_b1
1762:男の子
Small Boy
1763:「おにいちゃん……、いなく、なったの……」
1764:お兄ちゃんと一緒にいたけど、はぐれて迷子に
1765:なっちゃったんだ。
1766:ハルヒ
Haruhi
1767:「泣かないで――」
1768:b-kaoru_b2
1769:b-kaoru_b2
1770:b-kaoru_b2
1771:馨
Kaoru
1772:「僕らが一緒に捜してあげるから」
1773:ハルヒ
Haruhi
1774:「馨……」
1775:b-kaoru_b2
1776:馨
Kaoru
1777:「いいよね。お兄ちゃんだって、きっと心配し
1778:て捜してるからすぐに見つかるよ」
1779:ハルヒ
Haruhi
1780:「うん、そうだね」
1781:b-kaoru_b2
1782:それじゃあ捜しに行こう――、と思ったとき。
1783:bg69_a
1784:一緒にいる男の子とそっくりの子が、おもちゃ
1785:売り場を必死になって走っている姿が視界に入っ
1786:た。
1787:ハルヒ
Haruhi
1788:「馨、お兄ちゃんって、あの子じゃない?」
1789:bg68_a
1790:b-kaoru_b1
1791:b-kaoru_b1
1792:b-kaoru_b1
1793:馨
Kaoru
1794:「え? どこ?」
1795:ハルヒ
Haruhi
1796:「向こうのおもちゃ売り場のところ」
1797:b-kaoru_b1
1798:b-kaoru_b3
1799:b-kaoru_b3
1800:b-kaoru_b3
1801:馨
Kaoru
1802:「――あ! ホントだ」
1803:b-kaoru_b3
1804:馨は男の子のとなりでヒザをついて、おもちゃ
1805:売り場を指差す。
1806:switch
1807:馨
Kaoru
1808:「ほら、すごく心配して捜してる。……転ぶな
1809:よ」
1810:馨が優しく送り出すと、男の子はお兄ちゃんに
1811:向かって、まっすぐに走っていった。
1812:ev4050
1813:馨は、男の子がお兄ちゃんに抱きついて泣いて
1814:いるところを、じっと見つめていた。
1815:馨
Kaoru
1816:「兄弟はやっぱり、一緒じゃないとね」
1817:そうつぶやく馨の目には、うっすらと涙が浮か
1818:んでいる。
1819:…………。
1820:タッチグループ
1821:switch
1822:switch
1823:馨
Kaoru
1824:「………………」
1825:switch
1826:馨
Kaoru
1827:「ごめん、少し……」
1828:switch
1829:馨
Kaoru
1830:「ちょっと待って……」
1831:switch
1832:ev4051
1833:fg04
1834:馨
Kaoru
1835:「ありがと、ハルヒ……」
1836:ハンカチでそっと涙をふくと、馨は恥ずかしそ
1837:うに微笑んだ。
1838:馨
Kaoru
1839:「……変なとこ、見られちゃったね」
1840:ハルヒ
Haruhi
1841:「そんなことないよ。馨が意外と面倒見がいいっ
1842:てわかったし」
1843:馨
Kaoru
1844:「そんなこと……」
1845:ハルヒ
Haruhi
1846:「あの子たち、2人とも会えて良かったね」
1847:馨
Kaoru
1848:「……うん」
1849:bg68_a
1850:b-kaoru_b1
1851:b-kaoru_b1
1852:b-kaoru_b1
1853:馨
Kaoru
1854:「……さっきのはさ、2人だけの秘密にしてお
1855:いてよ」
1856:恥ずかしそうに馨がつぶやく。
1857:ハルヒ
Haruhi
1858:「秘密になんかしなくても、誰にも言わない
1859:よ?」
1860:switch
1861:b-kaoru_b1
1862:馨
Kaoru
1863:「それじゃあ、約束」
1864:ハルヒ
Haruhi
1865:「別にいいけど」
1866:約束なんて大げさだなあと思っていると――。
1867:ピリリリリリリリリリリ。
1868:b-kaoru_b1
1869:b-kaoru_b2
1870:b-kaoru_b2
1871:b-kaoru_b2
1872:馨
Kaoru
1873:「たぶん光だよ。帰りが遅いから、心配になっ
1874:てかけてきたんだ」
1875:b-kaoru_b2
1876:kaoru_b
1877:kaoru_b
1878:kaoru_b
1879:そう言って笑いながら、馨は携帯電話を取り出
1880:す。
1881:kaoru_b
1882:馨
Kaoru
1883:「もしもし、光――。え? 鏡夜先輩……。あ、
1884:はい……」
1885:kaoru_b
1886:……どうしたんだろう。鏡夜先輩から電話なん
1887:て。馨は難しい顔をして、何度か相づちを打っ
1888:てばかりだし。
1889:…………。
1890:……。
1891:馨
Kaoru
1892:「光には――、はい。……わかりました」
1893:沈んだ声でつぶやいて、馨は電話を切った。
1894:b-kaoru_b3
1895:b-kaoru_b3
1896:b-kaoru_b3
1897:馨
Kaoru
1898:「ホスト部の一時活動停止の処分が解けるんだ
1899:けど、理事長が交代するかもしれないって」
1900:ハルヒ
Haruhi
1901:「それ、どういうこと?」
1902:b-kaoru_b3
1903:b-kaoru_b1
1904:b-kaoru_b1
1905:b-kaoru_b1
1906:馨
Kaoru
1907:「それは……。これから、鏡夜先輩のところに
1908:行って聞いてくるよ」
1909:ハルヒ
Haruhi
1910:「じゃあ、自分も一緒に行く」
1911:b-kaoru_b1
1912:馨
Kaoru
1913:「……ごめん」
1914:b-kaoru_b1
1915:そう言って、馨は目をそらしてしまった。
1916:…………。
1917:すごく気になるけど……。
1918:switch
1919:ハルヒ
Haruhi
1920:「自分にも、ちゃんと説明してくれるよね」
1921:b-kaoru_b2
1922:b-kaoru_b2
1923:b-kaoru_b2
1924:馨
Kaoru
1925:「うん。……じゃあ、学校でね」
1926:b-kaoru_b2
1927:タタタタタタタ……。
1928:…………。
1929:走っていく馨の後ろ姿が小さくなると、不安が
1930:少しずつ大きくなっていく。
1931:大丈夫なのかな……。
1932:switch
1933:sure23
1934:switch
1935:…………。
1936:待ち合わせの5分前についたけど、ハニー先輩
1937:とモリ先輩の姿は……、ない。
1938:まだ来てないなのかな? そう思って周りを見
1939:渡すと――。
1940:光邦
Mitsukuni
1941:崇
Takashi
1942:switch
1943:sure17
1944:switch
1945:sure20
1946:switch
1947:mitukuni_b
1948:mitukuni_b
1949:mitukuni_b
1950:hani1
1951:光邦
Mitsukuni
1952:「ハールちゃん♪」
1953:柱の陰から、ハニー先輩が顔を出した。
1954:ハルヒ
Haruhi
1955:「あれ? 自分よりも早く来てたんですね、す
1956:みません」
1957:mitukuni_b
1958:b-mitukuni_b1
1959:b-mitukuni_b1
1960:b-mitukuni_b1
1961:光邦
Mitsukuni
1962:「僕もさっき着いたところだよ」
1963:ハルヒ
Haruhi
1964:「そうなんですか。……ところで、モリ先輩
1965:は?」
1966:b-mitukuni_b1
1967:光邦
Mitsukuni
1968:「ん~、あのねえ」
1969:ハニー先輩の説明によると――。
1970:b-mitukuni_b1
1971:bg52
1972:b-takashi_b1
1973:b-takashi_b1
1974:b-takashi_b1
1975:崇
Takashi
1976:「アハハハハハ! ごめんな光邦。急に家の用
1977:事で行けなくなってさ。ハルヒにもヨロシク言っ
1978:といて☆」
1979:b-takashi_b1
1980:b-takashi_b2
1981:b-takashi_b2
1982:b-takashi_b2
1983:崇
Takashi
1984:「この借りは、1000万倍にして返すからソー
1985:リーな!」
1986:b-takashi_b2
1987:b-takashi_b1
1988:b-takashi_b1
1989:b-takashi_b1
1990:kira
1991:崇
Takashi
1992:「俺の分まで楽しんできてくれよ、チャオ☆」
1993:b-takashi_b1
1994:bg67_a
1995:b-mitukuni_b2
1996:b-mitukuni_b2
1997:b-mitukuni_b2
1998:光邦
Mitsukuni
1999:「だから今日は僕ひとりなの。ごめんね、ハル
2000:ちゃん」
2001:…………。
2002:モリ先輩は、そんな言い方をしてないと思いま
2003:す。来れない理由は事実だとして――。
2004:b-mitukuni_b2
2005:bg52
2006:b-takashi_b3
2007:b-takashi_b3
2008:b-takashi_b3
2009:崇
Takashi
2010:「ごめんねー、ハルヒ」
2011:b-takashi_b3
2012:b-takashi_b2
2013:b-takashi_b2
2014:b-takashi_b2
2015:崇
Takashi
2016:「ものすごく行きたかったんだけど、どうして
2017:も外せない用事ができちゃってね」
2018:b-takashi_b2
2019:b-takashi_b1
2020:b-takashi_b1
2021:b-takashi_b1
2022:崇
Takashi
2023:「だから俺の分まで、光邦と遊んできてくれな
2024:いかな。今度、埋め合わせするからさ」
2025:b-takashi_b1
2026:……こんな感じ、でもないか。
2027:いつものモリ先輩なら――。
2028:b-takashi_b1
2029:b-takashi_b1
2030:b-takashi_b1
2031:崇
Takashi
2032:「……すまない光邦。家の用事で行けなくなっ
2033:てしまった」
2034:b-takashi_b1
2035:b-takashi_b2
2036:b-takashi_b2
2037:b-takashi_b2
2038:崇
Takashi
2039:「ハルヒにも、すまないと伝えてくれ」
2040:b-takashi_b2
2041:bg67_a
2042:b-mitukuni_b1
2043:b-mitukuni_b1
2044:b-mitukuni_b1
2045:こんな感じじゃないのかな。
2046:b-mitukuni_b1
2047:光邦
Mitsukuni
2048:「ほら、ハルちゃん行こう!」
2049:ハルヒ
Haruhi
2050:「わ、わかりましたから、そんなに引っ張らな
2051:いでくださいよ」
2052:b-mitukuni_b1
2053:big_hani1
2054:光邦
Mitsukuni
2055:「ぶっさん、ぶっさん、ぶっさんてーん! お
2056:いしいものがいーっぱい!」
2057:b-mitukuni_b1
2058:ハニー先輩から、絶対に目を離さないようにし
2059:ないと……。
2060:switch
2061:sure18
2062:switch
2063:光邦
Mitsukuni
2064:グラフキャラ
2065:f4-6-51
2066:ハルヒ
Haruhi
2067:「すごく込んでますから、あんまり離れないよ
2068:うにしてくださいね」
2069:b-mitukuni_b2
2070:b-mitukuni_b2
2071:b-mitukuni_b2
2072:光邦
Mitsukuni
2073:「うん、だいじょーぶ。ねえねえハルちゃん。
2074:崇にお土産買っていってあげようね!」
2075:ハルヒ
Haruhi
2076:「あはは……、そうですね」
2077:b-mitukuni_b2
2078:ホントに、大丈夫なのかなあ。
2079:bg72_a
2080:b-mitukuni_b3
2081:b-mitukuni_b3
2082:b-mitukuni_b3
2083:光邦
Mitsukuni
2084:「わあ、すごーーーーい! おいしいものがいっ
2085:ぱいありそう!!」
2086:b-mitukuni_b3
2087:物産展の会場入り口で、ハニー先輩は目をキラ
2088:キラさせた。
2089:b-mitukuni_b3
2090:確かにおいしそうな匂いもしてるけど、この人
2091:込みは……。
2092:ハルヒ
Haruhi
2093:「迷子になると大変ですから、あまり離れない
2094:ようにしま……、って!」
2095:光邦
Mitsukuni
2096:「これ、食べていいの?」
2097:店員
Shop Assistant
2098:「はい、どうぞ」
2099:もうあんなところで、シュークリームの試食し
2100:てるし……。
2101:b-mitukuni_b1
2102:b-mitukuni_b1
2103:b-mitukuni_b1
2104:光邦
Mitsukuni
2105:「いっただっきまーす♪」
2106:ハルヒ
Haruhi
2107:「いいですか? 迷子になったら、もう2度と
2108:会えないかもしれないんですから、気をつけて
2109:くださいよ」
2110:b-mitukuni_b1
2111:b-mitukuni_b3
2112:b-mitukuni_b3
2113:b-mitukuni_b3
2114:big_hani1
2115:光邦
Mitsukuni
2116:「あーむ……。ん~、わかってるよ」
2117:本当にわかってくれてるならいいんだけど。
2118:b-mitukuni_b3
2119:bou_l
2120:光邦
Mitsukuni
2121:「ハルちゃん、これすっごくおいしいよ! ハ
2122:ルちゃんも食べる?」
2123:ハルヒ
Haruhi
2124:「じゃあひとつ、……あむ」
2125:もぐもぐ……。
2126:光邦
Mitsukuni
2127:「ね? ね? どーお?」
2128:ハルヒ
Haruhi
2129:「甘さがしつこくなくて、おいしいですね」
2130:b-mitukuni_b3
2131:光邦
Mitsukuni
2132:「でしょ? うんうん、良かったねえ」
2133:switch
2134:b-mitukuni_b3
2135:店員
Shop Assistant
2136:「当店のシュークリームは、甘さ控え目のカス
2137:タードクリームとクッキー生地のほどよい歯ざ
2138:わりが人気なんです」
2139:ハルヒ
Haruhi
2140:「あ、はい……」
2141:店員
Shop Assistant
2142:「口に入れると広がるバニラの香り。さらにひ
2143:と口で食べられるところが、女性の心をわしづ
2144:かみにして離さないんです」
2145:店員
Shop Assistant
2146:「ああ、そうそう。それにですね、カロリーも
2147:控え目になっておりますので、ダイエットされ
2148:ている方にも安心して……」
2149:止まることなく続く、店員さんの説明……。こ
2150:れは、買わないと動けないかも。
2151:ハルヒ
Haruhi
2152:「ハニー先輩、何個か買います――、か!?」
2153:bou_l
2154:bou_r
2155:となりにいたはずのハニー先輩の姿がなかった。
2156:離れないようにって言ったのに!
2157:ハルヒ
Haruhi
2158:「すみません、あとで買いにきますから!」
2159:店員
Shop Assistant
2160:「お待ちしてまーす」
2161:タタタタタタタ……。
2162:bg73_a
2163:どこにいったのかなあ……。
2164:ハニー先輩を1人にしたら、甘い物の試食がぜ
2165:んぶ食べつくされてしまうかもしれない。
2166:まあ、それはいいとして……。なんだろう、向
2167:こうのほうに人が集まってるみたいだけど……。
2168:イヤな予感がするなあ――。
2169:光邦
Mitsukuni
2170:「うっ、えっく……」
2171:ハルヒ
Haruhi
2172:「ハニー先輩!?」
2173:やっぱりというか、なんというか……。人垣の
2174:真ん中で、ハニー先輩が泣いていた。
2175:ev5060
2176:光邦
Mitsukuni
2177:「ハルちゃーーーーーーーん!」
2178:自分の姿を見つけると、ハニー先輩は小犬みた
2179:いに走ってきて、抱きついてきた。
2180:ハルヒ
Haruhi
2181:「だから離れちゃダメだって、あれだけ言った
2182:じゃないですか」
2183:switch
2184:光邦
Mitsukuni
2185:「ごめんねハルちゃん。ぼく、僕……」
2186:ハルヒ
Haruhi
2187:「もういいですよ。今度からは気をつけてくだ
2188:さいね」
2189:光邦
Mitsukuni
2190:「……うん、わかった」
2191:とにかく、無事に見つかって良かった。
2192:bg73_a
2193:おばさん
Elderly Lady
2194:「良かったわね、お姉ちゃんが見つかって」
2195:おじさん
Elderly Lady
2196:「いい姉弟だのう……」
2197:…………。
2198:b-mitukuni_b3
2199:b-mitukuni_b3
2200:b-mitukuni_b3
2201:光邦
Mitsukuni
2202:「ハルちゃん、どうしたの?」
2203:ハルヒ
Haruhi
2204:「……向こうにいきましょうか」
2205:b-mitukuni_b3
2206:ハニー先輩の手を引いて、周りからの温かい視
2207:線から逃げるように、その場をあとにした。
2208:bg72_a
2209:…………。
2210:……。
2211:b-mitukuni_b1
2212:b-mitukuni_b1
2213:b-mitukuni_b1
2214:光邦
Mitsukuni
2215:「ふ~、いっぱい食べたねえ」
2216:満足そうなハニー先輩に、自分は笑顔を返す気
2217:力がなかった。
2218:b-mitukuni_b1
2219:あれから少し休憩したあと、改めて物産展の会
2220:場を歩いて……。
2221:かわいさで店員さんたちを味方につけたハニー
2222:先輩は、それはもう食べまくった。
2223:甘いものから辛いものまで、四方八方から差し
2224:出される試食をすべて完食。自分も途中までは
2225:付き合ったけど――。
2226:ハルヒ
Haruhi
2227:「うっ…………」
2228:b-mitukuni_b3
2229:b-mitukuni_b3
2230:b-mitukuni_b3
2231:光邦
Mitsukuni
2232:「あれえ? どうしたの、ハルちゃん」
2233:switch
2234:ハルヒ
Haruhi
2235:「イエ、ちょっと胸焼けが……」
2236:b-mitukuni_b3
2237:光邦
Mitsukuni
2238:「ダメだよ食べすぎは。『腹八分(はらはち
2239:ぶ)』って言うでしょ?」
2240:光邦
Mitsukuni
2241:「お腹いっぱいになるまで食べないで、ちょっ
2242:と足りないかなっていうところにしなきゃ」
2243:ハルヒ
Haruhi
2244:「あははは……、これからは気をつけますね」
2245:ハニー先輩の腹八分は、どこにあるんでしょう
2246:かね……。
2247:b-mitukuni_b3
2248:b-mitukuni_b2
2249:b-mitukuni_b2
2250:b-mitukuni_b2
2251:光邦
Mitsukuni
2252:「ねえハルちゃん。おいしいものも食べたし、
2253:崇のお土産も買ったし、そろそろ帰ろっか?」
2254:ハルヒ
Haruhi
2255:「そうですね」
2256:b-mitukuni_b2
2257:ご機嫌のハニー先輩と一緒に、物産展の会場を
2258:あとにした。
2259:switch
2260:sure19
2261:switch
2262:bg68_a
2263:b-mitukuni_b1
2264:b-mitukuni_b1
2265:b-mitukuni_b1
2266:光邦
Mitsukuni
2267:「ふふふふ~ふん♪」
2268:ハルヒ
Haruhi
2269:「楽しかったですか?」
2270:b-mitukuni_b1
2271:光邦
Mitsukuni
2272:「うん! 初めて来たけど、みんな親切だった
2273:し楽しかったよ」
2274:ハルヒ
Haruhi
2275:「親切……、ですか?」
2276:b-mitukuni_b1
2277:big_hani1
2278:光邦
Mitsukuni
2279:「みんな、いっぱい食べさせてくれたし。迷子
2280:になったときも、すっごく心配してくれたの」
2281:ハルヒ
Haruhi
2282:「……そうみたいですね」
2283:b-mitukuni_b1
2284:あの人垣は野次馬っていうより、ハニー先輩を
2285:心配する人たちの集まりみたいでしたから。
2286:b-mitukuni_b3
2287:b-mitukuni_b3
2288:b-mitukuni_b3
2289:光邦
Mitsukuni
2290:「それにね、お店の人も、お客さんたちも、み
2291:んなすっごく楽しそうに笑ってたよ」
2292:b-mitukuni_b3
2293:光邦
Mitsukuni
2294:「デパートには、笑顔がいっぱいだね……」
2295:そう言って、ハニー先輩はにっこり笑う。
2296:笑顔っていえば、会場を回っている間、ハニー
2297:先輩はすすめられた試食をひとつも断らなかっ
2298:たし……。
2299:それに、ちゃんとおいしいって笑って返してい
2300:たっけ。
2301:ハルヒ
Haruhi
2302:「はい、そうですね」
2303:b-mitukuni_b3
2304:b-mitukuni_b1
2305:b-mitukuni_b1
2306:b-mitukuni_b1
2307:bou_r
2308:光邦
Mitsukuni
2309:「えへへ……。みんなが笑ってると、僕もうれ
2310:しくなるの」
2311:たぶんこのデパートが特別なんじゃなくて――。
2312:ハニー先輩の周りに、笑顔があふれているんだ。
2313:ハルヒ
Haruhi
2314:「ハニー先輩は、すごいですね」
2315:b-mitukuni_b1
2316:b-mitukuni_b3
2317:b-mitukuni_b3
2318:b-mitukuni_b3
2319:光邦
Mitsukuni
2320:「僕ってすごいの?」
2321:ハルヒ
Haruhi
2322:「ええ、すごいですよ」
2323:b-mitukuni_b3
2324:光邦
Mitsukuni
2325:「そっかあ、すごいんだあ」
2326:見た目は子どもっぽく見えるけど、ハニー先輩
2327:はやっぱり『先輩』なんだ。
2328:ピリリリリリリリリリ……。
2329:switch
2330:b-mitukuni_b3
2331:ハニー先輩のポケットから、携帯電話の着信音
2332:が鳴りひびいた。
2333:b-mitukuni_b3
2334:b-mitukuni_b1
2335:b-mitukuni_b1
2336:b-mitukuni_b1
2337:光邦
Mitsukuni
2338:「あ、僕のだ。ん~と、ちょっと待ってねえ。
2339:……もっしもーし、あれ鏡ちゃん?」
2340:b-mitukuni_b1
2341:鏡夜先輩から電話なんて、何かあったのかな。
2342:…………。
2343:……。
2344:ハニー先輩は難しい顔をして、何度か相づちを
2345:打ってるけど。
2346:光邦
Mitsukuni
2347:「それ本当? ……うん、うん。これから行く
2348:から、ちゃんと説明してね」
2349:b-mitukuni_b1
2350:b-mitukuni_b1
2351:b-mitukuni_b1
2352:ハルヒ
Haruhi
2353:「……何かあったんですか?」
2354:光邦
Mitsukuni
2355:「えっとね、……ホスト部のお休みが解けるっ
2356:て」
2357:ハルヒ
Haruhi
2358:「それ……、いいことですよね」
2359:それなのに、ハニー先輩はぜんぜん笑っていな
2360:い。
2361:ハルヒ
Haruhi
2362:「他に何かあったんですね?」
2363:b-mitukuni_b1
2364:b-mitukuni_b3
2365:b-mitukuni_b3
2366:b-mitukuni_b3
2367:光邦
Mitsukuni
2368:「あのね、理事長が交代するかもしれないって
2369:鏡ちゃんが……」
2370:理事長が交代って……、どうしてそんな……。
2371:光邦
Mitsukuni
2372:「でもね、まだほんとかどうかわからないし、
2373:決まったわけじゃないんだって」
2374:光邦
Mitsukuni
2375:「だから僕、鏡ちゃんのところに行って聞いて
2376:くるね。ハルちゃんは――」
2377:ハルヒ
Haruhi
2378:「自分も行きます!」
2379:b-mitukuni_b3
2380:光邦
Mitsukuni
2381:「あの、ごめんね……」
2382:b-mitukuni_b3
2383:そう言って、ハニー先輩は目をそらしてしまっ
2384:た。
2385:…………。
2386:switch
2387:すごく気になるけど……。
2388:b-mitukuni_b2
2389:b-mitukuni_b2
2390:b-mitukuni_b2
2391:ハルヒ
Haruhi
2392:「ちゃんと、説明してくれますよね?」
2393:b-mitukuni_b2
2394:光邦
Mitsukuni
2395:「うん……。ほんとにごめんね、ハルちゃん」
2396:b-mitukuni_b2
2397:タタタタタタタ……。
2398:…………。
2399:走っていくハニー先輩の後ろ姿が小さくなると、
2400:不安が少しずつ大きくなっていく。
2401:大丈夫なのかな……。
2402:switch
2403:sure23
2404:switch
2405:ちょうどモリ先輩が歩いて来ていた。
2406:b-takashi_b1
2407:b-takashi_b1
2408:b-takashi_b1
2409:崇
Takashi
2410:「……ハルヒ」
2411:ハルヒ
Haruhi
2412:「モリ先輩、……ハニー先輩はどうしたんです
2413:か?」
2414:いつも一緒にいるはずの人がいないと、なんだ
2415:かもの足りないような気がする。
2416:b-takashi_b1
2417:崇
Takashi
2418:「光邦は、食べ過ぎで動けない……」
2419:ハルヒ
Haruhi
2420:「……食べ過ぎ?」
2421:b-takashi_b1
2422:崇
Takashi
2423:「実は……」
2424:そう言って、モリ先輩は静かに今朝の出来事を
2425:話し始めた。
2426:b-takashi_b1
2427:bg52
2428:b-mitukuni_b2
2429:b-mitukuni_b2
2430:b-mitukuni_b2
2431:崇
Takashi
2432:「……顔が青いぞ、光邦」
2433:b-mitukuni_b2
2434:b-mitukuni_b3
2435:b-mitukuni_b3
2436:b-mitukuni_b3
2437:光邦
Mitsukuni
2438:「へ、平気だもん……。僕、いつもと同じだよ。
2439:元気だもん……」
2440:崇
Takashi
2441:「…………食べ過ぎたのか?」
2442:b-mitukuni_b3
2443:b-mitukuni_b1
2444:b-mitukuni_b1
2445:b-mitukuni_b1
2446:光邦
Mitsukuni
2447:「だって昨日は、うさちゃんと一緒にスペシャ
2448:ルケーキナイトする日だったんだもん!」
2449:崇
Takashi
2450:「留守番だ」
2451:b-mitukuni_b1
2452:光邦
Mitsukuni
2453:#Pos[0,20]#Scale[1.4]  「うわああああああん!!」
2454:b-mitukuni_b1
2455:bg67_a
2456:b-takashi_b2
2457:b-takashi_b2
2458:b-takashi_b2
2459:崇
Takashi
2460:「……光邦は、家で寝かせている」
2461:…………。
2462:モリ先輩、ハニー先輩の身体のことになると厳
2463:しいからなあ。
2464:b-takashi_b2
2465:あのときもそうだったし……。
2466:13
2467:それにしても、普段から怖いくらいよく食べる
2468:ハニー先輩が、食べ過ぎで具合が悪くなるなん
2469:て、いったいどれだけ食べたんだろう……。
2470:b-takashi_b1
2471:b-takashi_b1
2472:b-takashi_b1
2473:崇
Takashi
2474:「……俺のせいだ」
2475:ハルヒ
Haruhi
2476:「は?」
2477:switch
2478:b-takashi_b1
2479:崇
Takashi
2480:「ケーキの量を俺が把握していれば、こんなこ
2481:とには……」
2482:ハルヒ
Haruhi
2483:「そんなことは……、ないと思いますよ?」
2484:崇
Takashi
2485:「もし光邦の身体に何かあったら……」
2486:モリ先輩ってハニー先輩のことになると、すご
2487:く考え込んじゃうんだよね……。
2488:ハルヒ
Haruhi
2489:「それなら、ハニー先輩についててあげたほう
2490:が、いいんじゃないですか?」
2491:b-takashi_b1
2492:b-takashi_b2
2493:b-takashi_b2
2494:b-takashi_b2
2495:崇
Takashi
2496:「……いや」
2497:モリ先輩は、ゆっくりと首を横にふる。
2498:崇
Takashi
2499:「光邦から土産を頼まれている」
2500:…………。
2501:……。
2502:食べ過ぎて動けないのに、お土産を頼むハニー
2503:先輩も変ですけど、それを買いに来るモリ先輩
2504:も……。
2505:でも、お見舞いっていうことでいいのかな? 
2506:自分が口を挟むことじゃないし。
2507:ハルヒ
Haruhi
2508:「じゃあ、行きましょうか」
2509:b-takashi_b2
2510:崇
Takashi
2511:「……ああ」
2512:b-takashi_b2
2513:そう言ってうなずくモリ先輩だけど、少し元気
2514:がなさそうだった。
2515:switch
2516:sure21
2517:switch
2518:崇
Takashi
2519:グラフキャラ
2520:f4-6-61
2521:bg68_a
2522:b-takashi_b1
2523:b-takashi_b1
2524:b-takashi_b1
2525:ハルヒ
Haruhi
2526:「お土産を買うなら、物産展がいいと思うんで
2527:すけど――」
2528:崇
Takashi
2529:「…………」
2530:ハルヒ
Haruhi
2531:「あの、モリ先輩?」
2532:b-takashi_b1
2533:崇
Takashi
2534:「……ああ、それでいい」
2535:やれやれ……。
2536:b-takashi_b1
2537:bg72_a
2538:物産展は週末ということもあって、かなり込ん
2539:でいるけど――。
2540:b-takashi_b2
2541:b-takashi_b2
2542:b-takashi_b2
2543:崇
Takashi
2544:「…………」
2545:モリ先輩のまわりだけは、まるで別の場所にい
2546:るかのように静かだった。
2547:ハルヒ
Haruhi
2548:「モリ先輩、お土産は何にしましょうか?」
2549:b-takashi_b2
2550:崇
Takashi
2551:「……光邦の喜びそうなものを」
2552:ハルヒ
Haruhi
2553:「それじゃあ、何か甘いお菓子でも――」
2554:あ、食べ過ぎて寝てるんだから、食べ物は……。
2555:b-takashi_b2
2556:b-takashi_b1
2557:b-takashi_b1
2558:b-takashi_b1
2559:崇
Takashi
2560:「そうだな……、日持ちのするものを選べばい
2561:いだろう」
2562:#Scale[1.4]いいんですか!?
2563:……でも、モリ先輩がそう言うならいいのかな。
2564:体調が良くなるまで食べさせたりしないだろう
2565:し。
2566:ハルヒ
Haruhi
2567:「じゃあ、おいしそうなお菓子を探しに行きま
2568:しょう」
2569:b-takashi_b1
2570:bg73_a
2571:人の流れに合わせて歩きながら、ハニー先輩の
2572:喜びそうなお菓子を探す。
2573:b-takashi_b1
2574:b-takashi_b1
2575:b-takashi_b1
2576:ハルヒ
Haruhi
2577:「モリ先輩、これなんかどうですか?」
2578:時々おいしそうなお菓子を見つけて、モリ先輩
2579:にも意見を聞いてみるんだけど――。
2580:…………。
2581:switch
2582:返事がないというか、それ以前に聞こえていな
2583:いみたい。それに、何かじっと見ていると思え
2584:ば――。
2585:ハルヒ
Haruhi
2586:「モリ先輩……。木彫りの魚は、ハニー先輩の
2587:お土産にならないと思いますよ」
2588:b-takashi_b1
2589:崇
Takashi
2590:「…………あ」
2591:b-takashi_b1
2592:b-takashi_b2
2593:b-takashi_b2
2594:b-takashi_b2
2595:やっぱり、心配なんだろうなあ。
2596:大丈夫かな……。モリ先輩、かなり思いつめる
2597:性格だし……。
2598:15
2599:本当に、不器用だからなあ……。
2600:b-takashi_b2
2601:……うーん。
2602:モリ先輩に聞いたりしないで、おいしそうで日
2603:持ちのするクッキーか何かを選んで、少しでも
2604:早く帰れるようにしてあげないと。
2605:ドタッ!
2606:今すごい音が、後ろで……。
2607:ev6060
2608:…………モリ先輩。
2609:何にもないところで転ぶなんて。それに、どこ
2610:か遠くを見て立ち上がろうともしないし。
2611:心配してるっていうか、体はここにあるけど、
2612:心はハニー先輩の傍にあるって感じだなあ。
2613:このままじゃあ、家に帰ることもできなさそう
2614:に見える……。
2615:……どうしよう?
2616:タッチグループ
2617:switch
2618:switch
2619:崇
Takashi
2620:「……放っておいてくれ」
2621:switch
2622:崇
Takashi
2623:「…………どうした?」
2624:switch
2625:崇
Takashi
2626:「…………」
2627:switch
2628:bikkuri2_r
2629:崇
Takashi
2630:「……ハルヒ?」
2631:ハルヒ
Haruhi
2632:「ハニー先輩は、大丈夫ですよ」
2633:fg06
2634:ev6061
2635:そう言って声をかけると、モリ先輩は微笑みを
2636:浮かべた。
2637:ハルヒ
Haruhi
2638:「ああ見えて丈夫そうですし。もしかしたら、
2639:もう元気になって、プリンくらいは食べてるか
2640:もしれませんよ」
2641:崇
Takashi
2642:「………………プリンか」
2643:bg73_a
2644:b-takashi_b2
2645:b-takashi_b2
2646:b-takashi_b2
2647:崇
Takashi
2648:「それなら、歯磨きをさせなければ……」
2649:つぶやきながら、モリ先輩は立ちあがる。
2650:ハルヒ
Haruhi
2651:「向こうにおいしそうなお菓子がありましたよ。
2652:買っていきましょう」
2653:b-takashi_b2
2654:崇
Takashi
2655:「ああ、行こう」
2656:ぽん、と頭にのせられたモリ先輩の手が、優し
2657:く自分の髪をなでてくれた。
2658:b-takashi_b2
2659:switch
2660:sure22
2661:switch
2662:bg68_a
2663:ハニー先輩のお土産も買って、デパートの1階
2664:に戻ってきたとき――。
2665:b-takashi_b1
2666:b-takashi_b1
2667:b-takashi_b1
2668:崇
Takashi
2669:「…………ん」
2670:モリ先輩が立ち止まった。
2671:ハルヒ
Haruhi
2672:「……どうしたんですか、モリ先輩? 何か
2673:買い忘れでも」
2674:b-takashi_b1
2675:崇
Takashi
2676:「いや、視線が……」
2677:ハルヒ
Haruhi
2678:「……視線?」
2679:何のことだろうとモリ先輩の見つめる先に目を
2680:向けると――、子どもたちの姿があった。
2681:モリ先輩を見て、何か話してるみたいだけど。
2682:ハルヒ
Haruhi
2683:「まさかとは思いますけど、知り合いの子です
2684:か?」
2685:b-takashi_b1
2686:b-takashi_b2
2687:b-takashi_b2
2688:b-takashi_b2
2689:崇
Takashi
2690:「今日……、初めて会った」
2691:ハルヒ
Haruhi
2692:「じゃあ――」
2693:b-takashi_b2
2694:タタタタタタタ……。
2695:モリ先輩と話していたら、あっという間に子ど
2696:もたちに囲まれてしまう。
2697:ハルヒ
Haruhi
2698:「えっと……、自分たちに何か?」
2699:男の子1
Small Boy 1
2700:「ほら! やっぱりホストシルバーだ!!」
2701:女の子
Small Girl
2702:「すごいすごーい! ねえねえ、今日はどうし
2703:たの? あくのそしき・ロベリアーンにねらわ
2704:れてるの?」
2705:男の子2
Small Boy 2
2706:「すげー! でっかいなー!!」
2707:…………。
2708:b-takashi_b3
2709:b-takashi_b3
2710:b-takashi_b3
2711:何のことかと、モリ先輩の顔を見ると『俺は知
2712:らない』と言うように呆然としていた。
2713:これは聞いてみないとわからないなあ……。
2714:b-takashi_b3
2715:…………。
2716:switch
2717:……。
2718:子どもたちの話によると――。
2719:モリ先輩は、大人気の特撮番組『桜蘭戦隊ホス
2720:トレンジャー』のメンバー、ホストシルバーだ
2721:という。
2722:似てるだけだと思うけど……。
2723:b-takashi_b2
2724:b-takashi_b2
2725:b-takashi_b2
2726:ハルヒ
Haruhi
2727:「……すごいですね、モリ先輩」
2728:b-takashi_b2
2729:b-takashi_b3
2730:b-takashi_b3
2731:b-takashi_b3
2732:崇
Takashi
2733:「~~~~!!」
2734:モリ先輩は、すごい勢いで首を横にふった。あ、
2735:やっぱり人違いか。
2736:b-takashi_b3
2737:……でも、子どもたちはすっかりモリ先輩が本
2738:物だと思ってるんだよね。
2739:……うーん。とりあえず、人違いって説明して
2740:みようかな。
2741:ハルヒ
Haruhi
2742:「あのね、この人はホストシルバーによく似て
2743:るんだけど、違う人で……」
2744:男の子1
Small Boy 1
2745:「わかってるって! 【ごくひにんむ】なんで
2746:しょ?」
2747:男の子2
Small Boy 2
2748:「ボクたち、だれにも言わないから!」
2749:女の子
Small Girl
2750:「今日はこのおねえちゃんをまもってるの?」
2751:……ダメだ。みんなすっかり、モリ先輩をホス
2752:トシルバーと信じ込んでる。
2753:b-takashi_b3
2754:b-takashi_b3
2755:b-takashi_b3
2756:ハルヒ
Haruhi
2757:「……モリ先輩、どうしましょう?」
2758:崇
Takashi
2759:「ハルヒ……」
2760:b-takashi_b3
2761:im05
2762:#Color[7]#Scale[1.8]タスケテ。
2763:ハルヒ
Haruhi
2764:「自分がなんとかごまかしますから、上手く合
2765:わせてください」
2766:bg68_a
2767:b-takashi_b3
2768:崇
Takashi
2769:「…………わかった」
2770:b-takashi_b3
2771:覚悟を決めて、子どもたちに向き合った。
2772:switch
2773:ハルヒ
Haruhi
2774:「まあ大変、ロベリアーンの赤いバラが、すぐ
2775:そこまで来ているわ!」
2776:b-takashi_b2
2777:b-takashi_b2
2778:b-takashi_b2
2779:崇
Takashi
2780:「心配するな。俺の役目はキミを守ることだ」
2781:ハルヒ
Haruhi
2782:「ホストシルバー。早く、私を連れて逃げてー」
2783:b-takashi_b2
2784:b-takashi_b1
2785:b-takashi_b1
2786:b-takashi_b1
2787:崇
Takashi
2788:「もちろんさ。さあ、早くこっちに」
2789:b-takashi_b1
2790:…………。
2791:ごまかせたかと思ったら、子どもたちはみんな
2792:呆然としていた。
2793:#Color[7]#Scale[1.8]大根役者×2
2794:……無理があったかな。
2795:b-takashi_b2
2796:b-takashi_b2
2797:b-takashi_b2
2798:ハルヒ
Haruhi
2799:「モリ先輩……、失敗です」
2800:b-takashi_b2
2801:崇
Takashi
2802:「…………そうか」
2803:どうしようかと思ったとき、モリ先輩のポケッ
2804:トから――。
2805:ピリリリリリリリリリ……。
2806:b-takashi_b2
2807:天からの助けのように、携帯電話の着信音が鳴
2808:り響いた。
2809:ハルヒ
Haruhi
2810:「これは、ホストレッドからの通信ですね」
2811:b-takashi_b2
2812:b-takashi_b1
2813:b-takashi_b1
2814:b-takashi_b1
2815:崇
Takashi
2816:「ああ、急いでこの場を離れなければ」
2817:ハルヒ
Haruhi
2818:「よい子のみんな、さようならー」
2819:b-takashi_b1
2820:崇
Takashi
2821:「歯は、ちゃんとみがけよ」
2822:b-takashi_b1
2823:bg52
2824:タタタタタタタ……。
2825:子どもたちの前から逃げ出すように、モリ先輩
2826:と2人で走った。
2827:bg67_a
2828:…………。
2829:switch
2830:……。
2831:ピリリリリリリリリリ……。
2832:ここまで来ればいいかなと思ったとき、またモ
2833:リ先輩の携帯電話が鳴った。
2834:b-takashi_b1
2835:b-takashi_b1
2836:b-takashi_b1
2837:崇
Takashi
2838:「…………鏡夜か」
2839:b-takashi_b1
2840:……どうしたんだろう。鏡夜先輩から電話なん
2841:て。
2842:モリ先輩は難しい顔をして、何度か相づちを打っ
2843:てばかりいるけど。
2844:…………。
2845:……。
2846:崇
Takashi
2847:「ああ、わかった……」
2848:沈んだ声でつぶやいて、モリ先輩は電話を切っ
2849:た。
2850:b-takashi_b2
2851:b-takashi_b2
2852:b-takashi_b2
2853:…………。
2854:ハルヒ
Haruhi
2855:「モリ先輩、何かあったんですか?」
2856:b-takashi_b2
2857:崇
Takashi
2858:「……ホスト部の一時活動停止が解ける」
2859:ハルヒ
Haruhi
2860:「それ……、いいことですよね」
2861:でも……、モリ先輩はぜんぜん笑っていない。
2862:ハルヒ
Haruhi
2863:「他に何かあったんですね?」
2864:b-takashi_b2
2865:b-takashi_b1
2866:b-takashi_b1
2867:b-takashi_b1
2868:崇
Takashi
2869:「理事長が、交代するかもしれないそうだ」
2870:理事長が交代って……、どうしてそんな……。
2871:崇
Takashi
2872:「まだ決定じゃない。……それに、はっきりし
2873:ないことも多い」
2874:b-takashi_b1
2875:崇
Takashi
2876:「これから、鏡夜のところに行ってくる」
2877:switch
2878:ハルヒ
Haruhi
2879:「あの、自分も行っていいですか?」
2880:b-takashi_b1
2881:崇
Takashi
2882:「いや、今はまだ、俺たちだけでいい」
2883:…………。
2884:ハルヒ
Haruhi
2885:「……わかりました。でも、ちゃんと説明して
2886:くださいね」
2887:b-takashi_b1
2888:崇
Takashi
2889:「ああ……」
2890:b-takashi_b1
2891:タタタタタタタ……。
2892:…………。
2893:走っていくモリ先輩の後ろ姿が小さくなると、
2894:不安が少しずつ大きくなっていく。
2895:大丈夫なのかな……。
2896:switch
2897:sure23
2898:switch
2899:bg43_c
2900:……なんだか、今日は疲れたな。
2901:あの電話がかかってくるまでは、楽しかったの
2902:に……。
2903:…………。
2904:ホスト部の一時活動停止が解けるのは、うれ
2905:しいけど、理事長が交代するかもしれないな
2906:んて……。
2907:どういうことなのかな……。
2908:…………。
2909:……。
2910:考えてもしょうがないか。それに、もしかした
2911:ら何かの間違いかもしれないし。
2912:……忘れないうちに、パソコンのチェックして
2913:おこう。
2914:グラフキャラ
2915:グラフ経過
2916:指名率にも借金にも変化なし……。
2917:……土曜日だからね。
2918:うーん、こんな調子で返済できるのかな?
2919:……ま、いいか。
2920:今日は疲れちゃったからもう寝よう。
2921:switch
2922:sure24
2923:switch
2924:switch