0:ev2010
1:準備室に入ると、鏡夜先輩はすぐにノートパソ
Kyouya-senpai quickly opens
2:コンを開いて操作を始めた。
his notebook
3:ついでって、ノートパソコンだったんだ。いや、

4:そんなことより……。

5:ハルヒ
Haruhi
6:「あの、さっきの話なんですけど……」
"Eh,
7:鏡夜
Kyouya
8:「データに間違いはなかった、と言っておこう

9:か。付け加えるなら――」

10:鏡夜
Kyouya
11:「両親の経営する製薬会社は、いくつか魅力的

12:な新薬の特許を保有しているということか」

13:ハルヒ
Haruhi
14:「……すみません、鏡夜先輩は何のために真嶋
"…… I'm sorry, Kyouya-senpai
15:君へ会いに行ったのか分からないんですけど」

16:鏡夜
Kyouya
17:「顔見知りになっていて損はないと思っただ

18:け――、と言いたいところだが。いろいろと

19:興味深い話を聞いてきた」

20:まっすぐに画面を見つめて、キーボードを打つ。

21:鏡夜
Kyouya
22:「非常に残念だが、彼は家の仕事よりも他に自

23:分の進む道を決めているらしい」

24:まだ話が見えないんですけど――。

25:ハルヒ
Haruhi
26:「あれ? 鏡夜先輩、制服に何か動物の毛みた

27:いな物がついてますよ?」

28:鏡夜
Kyouya
29:「……ん。ちょうど見えにくい部分についてい

30:るようだな。悪いが取ってくれないか?」

31:ハルヒ
Haruhi
32:「いいですよ。じゃあ、ちょっと動かないでく

33:ださいね」

34:ev2011
35:鏡夜
Kyouya
36:「ありがとう、ハルヒ」
"Thank you, Haruhi."
Haruhi
38:「これ、犬の毛ですね」

39:鏡夜
Kyouya
40:「どうやら、真嶋君と話をしたときに、彼が面

41:倒を見ている小犬の毛がついたようだな」

42:ハルヒ
Haruhi
43:「犬って……、学校でですか?」

44:鏡夜
Kyouya
45:「ああ、何か問題でも?」
"Yeah,
46:ハルヒ
Haruhi
47:「いえ、大丈夫なんでしょうか? 校則違反か
"No, are you okay?
48:どうかはわかりませんけど」

49:鏡夜
Kyouya
50:「いいんじゃないか。他に迷惑をかけられた生

51:徒や職員が出てこない限り、彼に任せるさ」

52:鏡夜
Kyouya
53:「それに真嶋君は将来、獣医を目指しているそ

54:うだから悪い経験ではないだろう」

55:ev2012
56:ハルヒ
Haruhi
57:「獣医ですか? そうすると、ご両親の会社の
"A doctor?
58:ほうは継がないんですね」

59:鏡夜
Kyouya
60:「つまり、俺がこのプロデュース案で得られる

61:メリットが激減することでもあるんだがな」

62:ハルヒ
Haruhi
63:「それじゃあ――」

64:鏡夜
Kyouya
65:「慌てるな。ペット産業はこれからも拡大する

66:市場だということを視野に入れれば、充分に手

67:を貸すに値する」

68:鏡夜
Kyouya
69:「ただし、こちらのメリットを再計算する必要

70:がある。という訳でハルヒ、部のほうはよろし

71:く頼む」

72:ハルヒ
Haruhi
73:「はあ……、それじゃあ自分はこれで」